車椅子バスケ、千脇選手を覚醒させた出会い 脊髄損傷で一時は自暴自棄になったが…
――さて、ここで「車椅子バスケットボール」のルールを簡単に説明します。車椅子バスケットボールは、1チーム5人、コートの広さやゴールの高さなど健常者のバスケットとほとんど同じで、大きな違いはプレーヤー1人1人の障害の程度により、プレーヤーに「持ち点」が決められていることです。千脇さん、この持ち点というのはどのような仕組みなんでしょう。
障害の程度によって1点から4.5点まで各選手に持ち点が振り分けられています。その中で1チーム(5人)試合に出るメンバーは、14点以内でなければならないというルールがあります。
――つまり「障害が軽い=持ち点が高い」と。障害が軽い選手だけを集めてしまうと、いわゆる14点を超えてしまう可能性があると。
はい、なので、4点選手が5人出ることはできないので、必ず障害が重い選手も入れて戦うという形になります。
――選手のこういう持ち点などに注目して試合を見ると、また面白いですね。ちなみに千脇選手の持ち点は何点になるのでしょうか。
僕は、2.5点になります。
――これはチーム内での役割でいうと、2.5点というのは低いポイントですね。
はい、自分はローポインターと呼ばれる存在になっています。
動かなくなっていく足…自暴自棄にも
――さて、千脇選手は、スノーボードによる事故で障害を負い、高校生の頃から車椅子で生活をされています。ひとつ目のキーワードは「髪を金色にした、動かない足を彫刻刀で刺してもみた、でも痛くない……一生このままだと思った」ということですが、いったいどのような事故があったのでしょうか。
高校生の時に、スノーボードで脊髄を損傷して、脊髄損傷という形で障害者になってしまったっていう経緯がありました。自分自身、その当時は、高校の仲間とか、色々支えてくれる人たちがいました。
そして、大学に進学したのですけれども、その際に、一気にコミュニティーが変わってしまって、自分自身、(初めから)障害者として周りと関わるというのが初めてになったので、そのときにどう接していいか、自分自身わからなくなってしまったっていうのは、一番の要因かなとは思います。