在日中国人がFX取引に「ハマっている」理由

いずれは「ミセスワタナベ」を超える日が来る

日本にいる中国人の間で、FX取引がひそかな人気。いずれ「ミセスワタナベ」を超える「ミセスリー」が世界を席巻する?(写真:Graphs/PIXTA)

日本で暮らす外国人の間で、「FX取引」(外国為替証拠金取引)がじわりと広がっている。在留資格を持っている外国人は200万人超。FX取引がとりわけ盛り上がっているとされるのが、約70万人と「最大勢力」の中国人だ。

FX会社であるFXプライムbyGMOには、「在日中国人向けのトレードセミナーを開催してほしい」との依頼が何度も寄せられた。そこで同社が思い切って開催したところ、30人を超える中国人トレーダーが集まった。FXセミナーで講師を務めた同社の高野やすのりチーフストラテジストは、「為替のチャートを表示するたびに、前に出てきてスマートフォンで写真を撮ったり、部屋の各所で討論が始まったりした。参加者はとても積極的で、日本人よりもずっと真剣だった」と、セミナーの様子を話す。

リーマンショック時、1日で300万円が消えた

今回は、セミナーの開催をFXプライムbyGMOに依頼した、上海出身のZさんに取材した。

Zさんが夫の仕事の都合で来日したのは、12年ほど前のことだ。当時、幼い子どもを抱えて、言葉が通じない日本で暮らすのは、不安だらけだったに違いない。「しばらくは家に閉じこもって生活していて、『外に出なくては』と、仕事を始めたこともありました。でも子どももまだ小さく、言葉の壁を越えるのは思いのほか大変で。そんなとき、テレビでFX取引を知った」そうだ。

ミニ株に投資したことはあっても、FXのことはまるで知らなかったZさん。「主人が『やってみたら』と勧めてくれました。ほかにやることもあまりなかったし、時間つぶしにやっていたゲームにも似ていたから」と、気軽に始めたFXだったが、タイミングは最悪だった。

というのも、ZさんがFXを始めたのは2008年のなかば。為替市場が大きく乱高下したあのリーマンショックの直前だ。「取引を始めて2、3カ月経った頃に、リーマンショックが起きました。1ドル=108円台だったドル円やその他の通貨はみるみる下がり始めましたが、そんな突発的な下落を経験したのは初めてでしたから、2円くらい下がったところで買って、ロスカットされて、それでもまた買って……。結局、1日で300万円くらい損をしてしまいました。これが、今までの中でいちばん大きく損を出した時です」と、当時を振り返る。

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