ゴミ屋敷に商機を見出した男の波乱万丈人生 夜逃げ、起業、倒産…人はそれでも立ち上がる

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佐々木社長はとにかくバイタリティあふれる人だ。四六時中仕事のことばかり考えて、家にいても、お酒を飲んでいても、次にどんな戦略を立てたら儲かるのか、そんな話ばかりしているという。

「たとえば、新橋の居酒屋なんかに行くと、上司や会社の愚痴ばっかり言っている人が多い。みんな、できない理由の弁論大会を延々としている。でも自分がうまくいかないのを、社会や会社や他人のせいにしても意味はない。たとえば、そんな話を聞いたら、若い人たちは社会に出たくないと思うだろう。大人は、バリバリ働いて、若い子たちに形を見せていかなければいけない。それが大人の役目だよ」

会社は順調に大きくなったが、佐々木社長はまだ安泰だとは思っていない。まだまだ働いて、自社ビルを建てたいし、部下の中から継承者を出したいとも思っている。まだまだ、道の途中なのだ。

経営者として戦うコツ

経営者は、転んだ時に自ら立ち上がるという力を身に付けておかなければならない

最後に佐々木社長に、経営者として戦うコツを伺った。

「最終的に物事を決断するのは経営者のみに与えられた権利。家族や友人、コンサルタントにいくら相談してもいいけど、結局は自分の勘を信じて決断するしかない。人のせいにはできない。良いことも悪いことも全部自分に返ってくる。これはギャンブルみたいなもので、成功すれば万々歳だけど、もちろん失敗することもある。

だから経営者は、転んだ時に、自分で立ち上がるという力だけは身に付けておかなければいけない。野生の動物がたとえ傷ついていても起き上がって狩りに出かけるように。そうして、立ち上がることさえできれば、きっと前に進んでいけると思うよ」

何度も転んでは立ち上がった経験のある、佐々木社長の言葉には重みを感じた。

(写真:筆者撮影)

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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