「マンホール」から測るプロ野球の地域密着度

ここでも「広島カープ」はケタ違いだった

カープのマスコットキャラクター「カープ坊や」が描かれた広島市内のマンホール(筆者撮影)

このほか、広島市は広島駅周辺に千羽鶴柄、広島港周辺にかもめ柄、広島城周辺には近くを流れる太田川の名物「鯉(こい)」ともみじの柄、横川駅周辺には、日本初の乗り合いバス「かよこバス」柄のマンホールを設置している。デザインは、いずれも広島市立大学芸術学部が担当。製造・設置費用は市が負担している。

「カープ坊や」柄はマンホールカードも作られている。カープ人気を受けてか、5月23日時点でアマゾンには6000円を超える高い価格で出品されていた。

広島市の次に設置したのは福岡市だが…

広島市に続いて、全国で2番目に設置したのは、福岡ソフトバンクホークスの本拠地・福岡市だった。球団マスコットのホークファミリー柄で、敷設は2014年3月。広島市のカープ坊やマンホールはふたに直接絵柄を刻んでいるが、こちらはキャップ型といって、マンホールのふた本体に絵柄プレートをビス止めするタイプだ。

設置場所はヤフオクドームと最寄り駅の地下鉄唐人町駅を結ぶ、ホークスとうじん通りやドーム周辺の16カ所。「カープ坊や」柄のマンホールはその気になって探さなくても簡単に見つかるが、たった16カ所となるとよほど注意していないと見つけられない。

実際、筆者は2014年と2016年に合計2回ヤフオクドームを訪れ、ホークスとうじん通りを通算3往復しているにもかかわらず、1度も見つけることができていない。

また、自治体のトーンも広島とは異なる。広島は自治体自ら「カープを応援するために設置した」(広島市下水道局施設部)と明言するほどだが、福岡市の場合はむしろ受け身的な雰囲気。「マンホールのふたごと球団が寄付してくれたので設置した。増設の予定はありません」(福岡市下水道経営企画課)と述べるにとどまる。

3番目に導入したのが、横浜DeNAベイスターズの本拠地・横浜市。設置は2015年3月で、こちらはふた全体ではなく、プレートのみを球団が横浜市に寄贈、ふた本体の製造・設置費用は市の負担だ。

設置場所は当初、横浜スタジアムの最寄り駅のJR関内駅周辺や、道路1本を隔てた場所にある横浜市役所周辺の22カ所だけだったが、その後スタジアムが建つ横浜公園内や、最寄り駅の1つである横浜市営地下鉄関内駅周辺にも増設され、現在では53カ所になっている。

所沢市は埼玉西部ライオンズと市のキャラクターを「共演」させている(筆者撮影)

横浜市の後には、埼玉西武ライオンズの本拠地・所沢市が続いた。設置は横浜市の半年後の2015年9月。こちらはプレートも含めて全額が市の負担だが、球団マスコットの「レオ」と、所沢市のご当地キャラ「トコろん」とがコラボしたデザインだ。

所沢市上下水道部によれば、設置場所は「所沢駅や航空公園駅周辺、保育園などの全部で17カ所」だという。数が少ないためか、見つけるのは至難の業で、本拠地「メットライフドーム(旧西武ドーム)」周辺では見つからず、所沢駅周辺でも、発見できたのは東口の西武鉄道本社前と、西口の2番バス乗り場付近の計2個のみ。西口派出所の警察官に尋ねてみても「トコろんのマンホールはよく見かけるが、レオとのコラボものは見たことがない」というほど、地元でもマイナーな存在らしい。

次ページ残る7球団の地元自治体に、設置計画はあるのか
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