ここに出ている企業は、「長く勤められる会社」といってもよいだろう。ランキングは、金融庁が上場企業に提出を義務付けている有価証券報告書に基づき、その報告書に記載してある数字をベースに独自集計した。なお従業員が100人未満の企業は対象から除外している。
対象企業の単純平均は13.6年(対象社数2784社)。毎年同じ人数を採用し、定年まで誰も辞めない会社であれば、平均勤続年数は19年(大卒から60歳までの38年勤務を前提)になる。世代間の人員バランスや中途社員の比率によって、平均勤続年数は変動するが、これらの数字を参考にランキングを見てほしい。なお、平均勤続年数とあわせて、平均年齢、平均年収、従業員数も付記した。
上位に鉄道会社、転勤少なく生活設計しやすい
1位は相鉄ホールディングスだ。神奈川を地盤に鉄道やバス、不動産、スーパーなどを展開し、ホテル「フレッサイン」や「サンルート」もグループで運営している。平均勤続年数は25.2年で、平均年齢は50.2歳と高めだ。持ち株会社は事業会社と違い、グループの幹部が多くなる傾向で、比較的勤続年数や平均年齢が高くなる傾向にある。
2位は群馬や埼玉を地盤とする中堅建設会社の佐田建設(平均勤続年数24.9年)。平均勤続年数ランキング上位の常連企業である。女性も技術職として活躍しており、女性が働きやすい環境をつくっていることが、長い勤続年数を維持するポイントになっているようだ。
3位は東武鉄道(同24.7年)が入った。鉄道会社は比較的勤続年数が長い傾向にあり、相鉄ホールディングスや東武鉄道のほかに、9位神戸電鉄(23.8年)、17位名古屋鉄道(23.1年)などが、上位にランクインしている。鉄道会社は、特定の地域を地盤に経営しているケースが多く、転勤が少ないためライフプランを立てやすいという特長が挙げられる。
ほかに上位企業はメーカーが多く並んでいるのが特徴。4位の三菱製紙(24.5年)は印刷・情報用紙の大手メーカーで、6位のリーガルコーポレーション(24.3年)は紳士靴や婦人服の製造と販売を行っている。7位の河合楽器製作所(24.0年)はピアノ製造の世界的大手企業だ。
従業員が1万人を超える大企業で平均勤続年数が長いのは、9位ホンダ(23.8年)、15位パナソニック(23.3年)、18位東京電力ホールディングス(23.0年)、24位デンソー(22.4年)、九州電力(22.4年)などが挙げられる。就活にあたって、会社選びの参考にして頂きたい。
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