2)京王の大学前駅はどちらも略称
井の頭線と京王線が交差する特急停車駅は明大前駅(東京都世田谷区)である。明治大学和泉キャンパスがあるためで、明治大学前とはせず「明大」と略称を使っている。ちなみに、東海地方では「めいだい」といえば名古屋大学のことであるが、その最寄り駅(地下鉄名城線)は名大前ではなく、名古屋大学駅としているので、混乱することはない。
ところで、2017年3月から、明大前駅の京王線ホームでの列車接近メロディが明治大学校歌になった。新宿方面行きが「白雲なびく駿河台~」という校歌冒頭部分、京王八王子、高尾山口、橋本方面が、最後の「おお、明治」のメロディが流れ、関係者に喜ばれている。私は明治大学とは縁がないけれど、この校歌は何度も耳にしたことがあり、なかなかの名曲なので、駅メロにする価値は十分にあると思う。
明大前から井の頭線に乗って渋谷方面へ向かうと、下北沢の2つ先が駒場東大前駅(東京都目黒区)だ。東京大学駒場キャンパスが駅前に広がっていて東大関係者には便利このうえない。この駅名も東京大学ではなく、略称の「東大」が使われている。
東大の本部は本郷であるが、そのちょっと外れたところに東京メトロ南北線の東大前駅(東京都文京区)が1996年に開業した。農学部のキャンパスは同駅が至近距離だが、有名な赤門は、昔からある丸ノ内線本郷三丁目駅(同)のほうが近い。いずれにせよ、東大前駅が2つもあるとは、さすが天下の東大である。
「駅名早慶戦」はどっちが勝つ?
3)「早稲田大学」駅はないけれど…
明大前、東大前はあるけれど、ほかの六大学、立教、法政、慶応の名前の付く駅はない。早稲田に関しては微妙で、地下鉄東西線早稲田駅、都電荒川線早稲田電停(ともに東京都新宿区)の早稲田は地名と見たほうが自然であろう。
もっとも、全国的に見れば、早稲田と聞いて地名を連想するよりは大学を想起する人のほうが多いから、駅名を決めるときに地名、大学名両方をイメージできるようにしたのではないだろうか?
それに対し、上越新幹線の本庄早稲田駅(埼玉県本庄市)は、明らかに大学の最寄り駅として命名したものだ。今でこそ本庄市早稲田の杜という地名になっているけれど、それはごく最近のことで、早稲田大学の本庄キャンパスができ、駅ができ、それにちなんで地名も早稲田になったのである。新幹線の駅に大学名を付けたのは、もちろんここだけで、駅名早慶戦があるならば、早稲田の勝ちである(笑)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら