名鉄の名古屋駅新ビルが400mもある理由 わかりにくいホーム構造が「自殺ゼロ」に貢献
名前はまだ決まっていないが、その外観を見れば「ホワイトウォール(白い壁)」がふさわしい。3月29日、名古屋鉄道が名古屋駅再開発の全体計画を発表。その中で、新たに建設される名古屋駅ビルのイメージ画を公開した。
名駅通り沿いに横に長く広がる建物は全長400メートル。30階建てで高さは160~180メートルになるという。「超高層ビルは縦に長いタワービルが普通。横長の超高層ビルは聞いたことがない」と不動産関係者も驚く。名古屋鉄道側は「横の長さが日本一かどうか、調べていないのでわからない」と言葉を濁すが、日本最長の超高層ビルになる可能性を秘めている。「日本一」を好む名古屋気質にはぴったりだ。
6棟のビルを一体的に開発
2022年度に工事着手。リニア中央新幹線が開業する2027年を目標に完成させる。総事業費は2000億円規模という報道もあったが、「当社から数字を挙げたことは一度もない。オフィス、商業、ホテル、住居で構成される複合施設ということは決まっているが、その詳細が現段階では決まっていないので、総事業費は未定としか言いようがない」(名鉄)。安藤隆司社長は「2017年度にデザインや設計の準備費用として9.5億円を予算化している」と述べるにとどまる。
この超大型ビルが建設される場所には現在、名鉄ビル、名古屋近鉄ビル、名鉄バスターミナルビル、大手町建物名古屋駅前ビル(ヤマダ電機LABI名古屋が入居)、さらに片側5車線の太閤通を挟んで名鉄レジャックビル、一方通行の細い道路を挟んで日本生命笹島ビルという6つのビルが立っている。地権者である名鉄、近鉄グループホールディングス、三井不動産、日本生命の4社が6棟のビルを一体開発するというのが今回の構想だ。
それにしても、太閤通という大きな道路をまたぐ形で一体開発するというアイデアには驚かされる。名古屋駅周辺は都市再生特区に指定されているため、道路の上空の活用は可能なのだが、大胆なアイデアであることには間違いない。なぜ道路をまたぐという大掛かりな開発にしたのだろうか。
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