鉄道会社の「高架下ビジネス」がアツい理由 中目黒駅も一気に生まれ変わった!

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約700メートルに28店舗が出店する「中目黒高架下」(撮影:小佐野景寿)

2016年11月、東急東横線・東京メトロ日比谷線中目黒駅の高架下がおしゃれな商店街として生まれ変わった。

中目黒は住みたい街ランキング(SUUMO調べ)では二子玉川(東急田園都市線)に次ぐ11位にランクされ、ファッションなど文化の発信地として名高い。中目黒駅の1日当たり平均乗降人員は東横線が19万人、日比谷線は22万人と、都内での利用者の多い駅の上位に位置する。

もともと飲食店などが多く並んでいたが、耐震補強工事を契機に東急電鉄と東京メトロが再開発した。中目黒から祐天寺まで約700メートルの高架下に28店舗が出店する。カフェ、居酒屋、書店、アパレルなどバラエティあふれる専門店が軒を連ねる。

商店街の名称はそのものズバリ「中目黒高架下」。「耐震補強工事以前から飲食店が建ち並び、高架下文化を牽引していたかつての中目黒の高架下に敬意を込めた」(東急電鉄)。開発コンセプトは「SHARE(シェア)」で、「高架下エリアに人々が集い、時間や空間をシェアすることで中目黒らしいカルチャーの発信地となることを目指す」(同)という。

耐震補強や立体交差化がきっかけ

高架下は駅に直結しているという利便性がありながら、薄暗い、線路下ということで敷地が細長い、頭上を線路が走るため騒音が絶えないといった理由からテナント誘致がままならず、駐車場や倉庫としての利用にとどまっていることも少なくない。しかし、近年は改装に踏み切って施設としての魅力を高めようとする鉄道会社も増えてきた。高架の耐震補強工事や連続立体交差工事、駅の改装などが、高架下活用のきっかけになっている。店舗が狭いという特性から専門性の高い店舗が入居している例が多いようだ。

JR東日本も積極的に高架下を活用する鉄道会社のひとつだ。駐車場や倉庫ばかりだった秋葉原―御徒町間の高架下をショップでつなぐ計画を2010年からスタート。現在は「2k540」「CHABARA」という商業施設がある。

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