鉄道会社の「高架下ビジネス」がアツい理由 中目黒駅も一気に生まれ変わった!
「2k540」という名前の由来は東京駅から2.54キロメートルの地点に位置するという意味で、アクセサリーや革製品の工房併設型ショップが集まる。「CHABARA」はバイヤーが直接買い付けた日本全国の逸品を販売することを売り物にしている。これら商業施設が鉄道と組む理由は、「鉄道と連結することで、実際に現地に足を運んでいただきたいという願いを込めている」(JR東日本)という。
2013年9月にオープンした商業施設「マーチエキュート神田万世橋」は、中央線・神田―御茶ノ水間にかつて存在した万世橋駅の赤レンガやプラットホームを活用し、カフェ、居酒屋、雑貨、ギャラリーなど12店舗を展開する。プラットホーム跡に設置された店内から中央線を走る列車を間近に見ることができるカフェは今や都内の人気スポットだ。
2014年3月には中央線・阿佐ヶ谷―高円寺間の高架下に「阿佐ヶ谷アニメストリート」を開設。アニメショップを出店するとともに、アニメを作る人と見る人のつながりの場を提供することを目指しているという。
京王の高架下は「3年限定」
京王電鉄は井の頭線高架橋化工事一部完了に伴い、利用可能となった下北沢駅の高架下に飲食店やイベントパークを2016年8月にオープンさせた。3年間の期間限定で、「その後は未定」(京王電鉄)。現在、下北沢駅の改装工事も行なわれており、駅改装完了後は、高架下の姿も変わりそうだ。
京浜急行電鉄は京急蒲田駅付近の連続立体交差事業で生まれた高架下を活用し、2015年12月に「ウィングキッチン京急蒲田」を開業した。敷地面積は4300平方メートルとかなり広め。京急ストアの出店に加え、食料品店や飲食店を中心に書店やファッション店舗も入居している。
こうした賑わい創出とは違う取り組みもある。小田急電鉄は現在、東北沢―和泉多摩川間の複々線化事業を進めている。複々線化によって生まれた高架下を利用して、託児所や駐輪場などの生活利便施設を展開。さらに高架下に冷暖房、セキュリティシステム完備のレンタル収納スペース「小田急クローゼット」を豪徳寺、経堂、千歳船橋など7駅で営業している。自治体と組んで福祉施設や図書館といった公共施設の整備も進めている。
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