8)病院最寄り駅でもある「医大」の駅
大学の医学部や医科大学は付属の病院もあるから、学生や大学関係者のみならず、一般の人も利用する機会がある。そのような事情から、同じ大学名駅といっても、ちょっと異なった意味合いもあろう。
JR東北本線の小山と宇都宮の間にある自治医大駅(栃木県下野市)は、自治医科大学と付属病院の最寄り駅として機能している。北総鉄道の印旛日本医大駅(千葉県印西市)は千葉ニュータウンの外れにあり、都営浅草線からの直通電車の行き先として知られているので、大学にとってはいいPRになっている。ただし、日本医科大学のキャンパスは別のところにあり、駅近くには日本医科大学千葉北総病院と日本医大看護専門学校のみがあるので、厳密には大学最寄り駅とはいえないかもしれない。
ほかには、横浜市の新交通システムである金沢シーサイドラインに市大医学部駅(神奈川県横浜市)がある。市大とは横浜市立大学のことで、その医学部と付属病院が隣接しているのは言うまでもない。
9)学校名の駅は大学だけじゃない
数は少ないけれど、小中高の駅名もある。新交通システムの日暮里・舎人ライナーには赤土小学校前、都電荒川線には荒川一中前電停(ともに東京都荒川区)があり、特に小学校前は異色だ。高校が由来の駅名は真岡鉄道の下館二高前駅(茨城県筑西市)、それに江ノ電の鎌倉高校前駅(神奈川県鎌倉市)などがあるが、鎌倉高校前駅は学校名の駅としてだけでなく、ホームの前に海が広がる絶景の駅、さらには駅近くの踏切がアニメの舞台になったことでも有名で、特に台湾からの旅行者が殺到している。
「女子大」「中学校」「大学」…
10)固有名詞が付かない不思議な学校名の駅
千葉県内にある新交通システムのユーカリが丘線。不動産会社が運営するユニークな鉄道で、京成電鉄のユーカリが丘駅とつながっている。ラケット状のルートを反時計回りに一周するだけの運行方法で、途中に5駅ある。
その中にある、女子大駅、中学校駅(ともに千葉県佐倉市)という普通名詞だけの駅名が面白い。女子大駅は、和洋女子大の移転を見越して開設したのだが、移転中止となり、同学のセミナーハウスだけがある。登下校の華やかさを期待して訪れてもがっかりするだろう。その隣の中学校駅は佐倉市立井野中学校の最寄り駅であることは間違いないが、校名を付けず、単に中学校駅となっている。
そういえば、長崎県佐世保市内を走る第3セクター松浦鉄道には、ただの「大学駅」がある。付近には長崎県立大学があるが、具体的な名称は付けず大学駅となっているのが不思議だ。
全国には、まだまだ大学をはじめとした学校名の駅があるけれど、今回は、このくらいで終わりにしよう。
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