現在はどちらも大学最寄り駅ではなくなった両駅だが、それでも学芸大学、都立大学という駅名を使い続けるのは不自然であろう。地元では、学校名というよりは地名として定着し、支店名、マンション名などに使われ続けているので、現状を肯定する声が強いようだ。過去に駅名変更の可否を問うアンケートも行われたが、改称への賛成が3分の2以上という基準に満たなかったそうである。
しかし、遠方からやってくる受験生はまごつくだろうし、都立大学に至ってはまったく過去のものであるから、そろそろ駅名を変更してもいいのにと思う。
「大泉学園」という学校はどこに?
7)不思議な学校名ばかりの西武線
西武線にも不思議な学校名の駅が複数ある。まずは、西武新宿線の都立家政駅(東京都中野区)。かつて存在した東京都立中野高等家政女学校の最寄り駅だったが、1950年に校名が都立鷺宮高校に変更となった。そこで、西武鉄道から地元に駅名変更の打診があったのだが、家政銀座商店街という名称を使っていた商店会が反対したため、そのままになり現在に至っている。学校の文字が駅名に入っていないので、もはや校名とは知らず、不思議な地名だと思っている人も多いのではないだろうか?
また、西武池袋線にある大泉学園駅(東京都練馬区)周辺には、大泉学園などという学校はない。一時、都立大泉学園高校が存在したが、これは付近の大泉学園町という地名にちなんで1980年に設立された高校で、2005年に閉校している。
「大泉学園」とは、西武が学園都市構想のもとにつくった高級住宅街だった。だが、肝心の大学誘致に失敗してしまい、住宅地としては発展したものの学校は存在しないままだ。一説では、現在の一橋大学移転を狙っていたらしい。
その一橋大学は国立に移転し、本部とは別に小平にもキャンパスがある。その最寄り駅が西武多摩湖線の一橋学園駅(東京都小平市)だ。なぜ一橋大学駅ではないのか?と不思議に思えるが、実はかつては現在の駅の南に一橋大学駅があり、北には小平学園という名の駅が存在した。2つの駅の距離は極めて短かったため統合することになり、一橋大学駅の「一橋」と小平学園駅の「学園」を取って一橋学園駅を設置したのである。
ちなみに、小平学園というのも大泉学園と同様、実在の学校名ではなく、学園都市構想のもとに造られた住宅街であった。
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