3Gネットワークは正直言ってドキドキ−−宮川潤一 ソフトバンクモバイル取締役専務執行役CTO

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--昨年度より設備投資額を増やさない計画とか。

お客がこんなに増えているにもかかわらず投資はむしろ減らす。知恵を使ってやっています。基地局を作るときも、場所探しの費用や工事・人件費など、ありとあらゆるものを見直した。工事業界などからは恨まれましたが、言われるがままにはしなかった。

僕が社内で言ってきたのは「キャペックス(設備投資金額)をユーザー数で割った数字を通信3社の中でいちばん小さくする」ということ。そうするとドコモの3分の1の投資で作らないとダメなんですよ。ようやく昨年度、その水準になりました。僕ら技術チームは、投入したコストとユーザー数で分析し、社長チームはARPUとユーザー数の掛け算を考える。厳しくても、これをやらなければいつまでもドコモを抜くことができませんから。

--ARPUを引き上げるのがソフトバンクの課題です。

一概には言えないんですよ。ライトユーザーからの収入は確かに少ないですが、ネットワークの負荷がかからないため、そのARPUでも十分に成り立つ。要はバランスなんですよ。ヘビーユーザーや企業経営者などのオピニオンリーダー的なお客さんがソフトバンクにはまだ少ないですから、そういう人たちを呼び込むにはアイフォーンはいい武器なんです。PCのデータカードは反対するが、これは質が違う。

それに他社がやった場合に、いったいユーザーはどう感じるか。もしドコモにアイフォーンを取られたら、それをきっかけにソフトバンクが今まで作り上げてきたものが全部ひっくり返されるおそれもあった。これは何が何でもソフトバンクがやるしかなかった。

ただ、2ギガヘルツ帯の周波数で携帯事業をやっている身としては、データ通信量の大きい端末をこれ以上、詰め込むのはもう厳しい。ほかの帯域を使えるようになれば状況は変わりますが、現状ではアイフォーンを最後にしてほしい。

(週刊東洋経済)

・関連記事 �Phoneが変える!? 波乱の携帯ビジネス

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