iPhoneが変える!? 波乱の携帯ビジネス ついに日本に上陸

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iPhoneが変える!? 波乱の携帯ビジネス

表参道のソフトバンクモバイル直営店にできた行列は約1500名。集まった報道関係者は約280名。7月11日発売の米アップル製携帯電話機「iPhone(アイフォーン)3G」は、文字どおりのお祭り騒ぎを巻き起こしている。

この日、アイフォーン3Gが発売されたのは日本を含む21カ国。週明けの14日、アップルのスティーブ・ジョブズCEOは「13日までの3日間の販売台数が100万台を突破し、すばらしいスタートを切った」と発表した。アップルの現在の目標は2008年の12カ月間でアイフォーンを1000万台売ること。6月9日までの初代(2G)機の実績は下図のように230万台(600万台‐370万台)とやや低調なようにも見えるのだが、“3G効果”により前倒しで1000万台を突破する可能性が高い。

ドコモに競り勝ったソフトバンク

アイフォーン3Gの人気のポイントは、まずタッチパネルを用いた斬新なインターフェースだ。加えて、世界トップシェアを握るiPodの機能を内蔵しており音楽プレーヤーとして使うことができるうえ、パソコンとの連係によるスケジュール管理、メール管理もお手のものだ。

さらに、なんといっても最大の特徴は充実の通信機能。名前のとおり第3世代携帯電話(3G)に対応しているほか、Wi・Fi(無線LAN)、ブルートゥースに加え、GPSまで付いている。初代機と同様、欧米では第2世代携帯電話(2G)のGSM機として使うこともできる。スタイリッシュなボディには加速度センサー、近接センサー、光センサーなども埋め込まれており、機能満載のスーパー携帯端末である。

「パソコンより快適にインターネットが楽しめる。今年は携帯がインターネットマシンになる元年。今日は記念すべき歴史的な日だ」

発売イベントの席上、孫正義ソフトバンク社長は感無量といった面持ちでそう語った。無理もない。07年1月のアイフォーン発表以来、孫社長はアイフォーンに関する質問に対し正面からのコメントを避け続けてきた。その裏でNTTドコモに奪われまいとアイフォーン獲得にかけた努力は半端ではなかった。「もうダメだと覚悟したこともあった。しかし社長は絶対にあきらめなかった。アピール合戦に勝ち残ったということだ」(ソフトバンク幹部)。

アップルは、秘密保持契約をはじめとした情報管理の厳しさに定評のある会社。発売までは自由に端末を見ることも触ることもできない。そのため、ソフトバンクショップを展開する販売代理店も混乱状態が続いた。秘密保持契約にサインをした店員が研修に臨むかたわら、「日常業務に支障が出るほどの問い合わせの電話」をこなし、「あわててiPodタッチ(インターフェースがアイフォーンと同じ)を買って勉強した」店も。販売店にしてみれば、アイフォーンは売り場を活性化し集客効果が見込める商材。多くの代理店がこれまでにない力の入れようでアイフォーン発売日を迎えた。

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