iPhoneが変える!? 波乱の携帯ビジネス ついに日本に上陸
ある代理店によると、発売前の問い合わせの半分は非ソフトバンクユーザーだったという。表参道店で発売当日に購入した人に聞くと、「ドコモを使っているが、アイフォーンは音楽や映像を楽しみたい」(東京都・梶野さん、現在の月額通信料金は2万円台)、「仕事仲間でアイフォーンを購入。au携帯はワンセグを見るために残す」(東京都・古賀さん、現在の月額料金は1万7000円前後)といった具合で、ソフトバンクが狙った層が動いている。
とはいえ、「今、高額のデータ定額を払っているのは数%程度。新しい市場を創造できるかの挑戦」(前出・増野氏)でもある。
バカ売れも痛しかゆし インフラのリスクも
アイフォーンに対し孫社長は興奮ぎみだ。「音楽を楽しめるのは当然だが、ゲームをやるにしても面白いマシン。WiiリモコンのモーションセンサーとDSのタッチセンサーが入っているようなもの。開発ツールはマックと同じ。日本の携帯だと、たとえばゲームを作ろうとすると毎回作り込まないといけないが、アイフォーンだと、マックPCのOS X(オーエステン)で動くアプリはドーンと移植できちゃう」。
アイフォーンに飛びついているのはガジェット好きの個人ユーザーだけではない。ある大手代理店では「ゲームメーカーやコンテンツ会社からの問い合わせがある」と言い、ソフトバンクモバイルの後藤誠二執行役員は「すでに法人オーダーが入り始めている」と、法人需要にも大きな期待を寄せている。
一方で順調に台数が売れていった場合には、深刻な課題にも直面する可能性がある。アイフォーンは本格的なインターネットマシンであるゆえ、データ通信量が通常の携帯電話端末と比べ10~20倍。他社に比べ、なお脆弱性がある3Gネットワークインフラへの負荷にどう対応していくかが課題だ。
前述のようにアイフォーンは3Gネットワークだけでなく、無線LANを使うことができる。しかし、無線LANの接続スポットが大量に設置されている米国の大都市と異なり、日本は無線LANのインフラが貧弱だ。大容量のデータ通信を行う際、3Gに集中する可能性が高く、無線LANスポットの増設、利便性向上なども急務になる。

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