ウマミバーガー「日本で5年内に10店」の勝算 北青山の日本1号店はフル回転の人気が続く
というのも、同店は「ファストフード」ではなく「ダイニングレストラン」であり、客にゆったり食事してもらうのが目的の店だからだ。ハンバーガーのパテはステーキ店で提供するような高いランクの肉を使い、店の厨房でひいて作っている。
単価も高めで、飲み物と合わせて2000~2500円程度に設定。ハンバーガー約15種のほかにもおつまみやアルコール飲料を各種そろえ、店内の中央にバーカウンターを設えるなど、“夜の顔”を強調している。高級感とモダンさを併せ持つ「老若男女が落ち着いて過ごせる」(メディロス氏)内装デザインを目指したという。実際に着席してみても、1席ごとのスペースがゆったりとられており、お酒を飲みながら長く過ごすことができる。
しかし日本ではどうしても、ハンバーガーと言えばランチや軽食だ。
「まだランチのイメージが強いのが課題です。グルメバーガーブームもあって、話題性で来店されているお客様も多いので、客数も客層も、まだまだ読めない。昼だけでなく、夜にもハンバーガーを食べる文化へと変えていきたいと思っています」(メディロス氏)
「競合店」が多い場所を選んだ
同店が第1号店の立地として選んだのは、表参道駅から少し路地に入ったところにある、高級感のある商業施設。隣接するキリスト教の教会を模した結婚式場が、ムードを高めている。
「ビルのデザインがよく、私たちのニーズに合っていたのでこの場所に決めました。また周囲にハンバーガーの競合店がいくつかあるのも、われわれの立地条件に合っていました」(メディロス氏)
確かに、有名なフェローズや、ミニバーガーの店が近くにある。ニューヨーク発のバーガーレストラン、シェイクシャックからも徒歩圏内だ。近くに競合店がない立地を選ぶほうが有利に思えるが、「単価も高いですし、自分たちだけの力では何十万人という人にはアピールできません。市場拡大のためには、周囲の力が不可欠です。また、自分の店だけでなくハンバーガー市場全体を盛り上げたいというのが私の目的です」(メディロス氏)と言う。
ただし誤算だったのが「夜が早い」立地特性だったこと。午後10~11時といった、いわゆる2軒目へ向かう時間になると、客が六本木や渋谷方面に散って行ってしまうのだという。そのため当初は午後11時までだった営業時間を、1時間短縮して10時までとなっている。アルコール業態を強調したいという当初の目標とは少し外れたが、もともとウマミバーガーというブランド自体が、幅広いニーズに対応できるよう考慮されている。
「スイーツや甘いポテトといったメニューもそろえており、ランチ、ティー、ディナー、といった時間帯ごとのニーズに対応しています。スイーツの種類も今後増やしたいですし。また、本国でもやっているテイクアウトやデリバリーを日本でも行う予定です」(メディロス氏)
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