「ある成功者の方法は、その当の本人が試行錯誤してできた、『その人専用』の方法であり、あなたの方法ではない」
勉強方法も、同様なのです。世にあるさまざまな方法というものは、実はすべてカスタマイズされているものなのです。栗田さんのご質問にあるように、書店で買ってきた勉強方法の本をただそのまままねしても、うまくいかないのは当然のことなのです。
実は筆者も中学生のとき勉強方法について悩んだ時期がありました。公立の中学校に通っていたのですが、中学生になり、中間テストや期末テストという小学校にはない定期テストがあり、どのように勉強すればいいか迷ったものです。勉強方法を誰も教えてくれなかったため、書店に行き、勉強方法について書いてある本を探しました。すると「中学生の勉強法」という本を見つけ、迷わずに購入し何度も読みました。そのときは感動して、「勉強には成功する方法というものがあるのか!」と思ったものです。早速その方法をまねしていったのですが、なかなか思うように点数に反映しません。今思い出すと本当に恥ずかしいレベルのお話ですが、単なる猿まねだったのですね。つまり、そこに書いてある内容は一般的方法であり、それを自分流に当てはめることを知らなかったのです。もちろん「自分流に当てはめるように」とも書いていませんが。
勉強法に、自分のスタイルをみつける
しかし、その後、そこから徐々にやり方を変えていくと点数に変化が出てきたのです。どうやって変えていったかと言いますと、クラスの中で高得点を取る友人に、試験前の勉強方法を聞いて、それを自分のやり方に取り込んでいったのです。何も英数国理社といった教科だけでなく、音楽・美術・技術家庭科・保健体育といった実技系の科目もどうやったら上達するのかを聞いて回りました。そして、それらを取り入れていくと、点数が上がっていったのです。つまり、ある1つのやり方だけをまねていたのではなく、良い方法を部分的に取り入れて「自分流」をつくっていったのでした。
これまで指導してきた生徒で、優秀な成績を収めている生徒は、皆、勉強法に独自のスタイルをもっていました。自分流にカスタマイズしているのです。しかし、全体を概観してみると、ある原則があることに気づきます。原則とは、全体に共通するある構造です。型といってもよいでしょう。その構造にしたがって、方法は組まれており、細かいことは自分用にカスタマイズされているということです。
では、具体的に、その構造についてお話ししましょう。次のように4つの型によって成り立っています。
勉強方法というと英語や数学などの教科をどう勉強するかということに焦点が当てられますが、実は、最も重要な型の1つが、「ゴールの設定と計画」なのです。中学生でいえば、高校受験というゴールがあり、その手前に定期テストというゴールが設定されます。そのテストでどれくらいの点数を狙うのかというのがゴールです。そして、そのために平常期、テスト勉強期の計画を立てていきます。
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