裏庭にバーを作ると人生は最高に豊かになる 3万5000円で作った米国人女性に聞いてみた

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冬には1メートル以上の積雪のあるミシガン北部だが、昨年の冬はバーの中にヒーターを設置し、ホットチョコレートを用意して、雪の中でのフットボール大会を開催して大好評だった。

電気式のクッカーも常備(著者撮影)

先日は、32歳になる息子の誕生日パーティも、このバーで開催した。「30代の息子が、離れて住む母親の自宅に自分の仲間を呼んで、誕生パーティをやりたいなんて普通ありえないでしょうね。この国では18歳になったら子どもは親元を離れるのが普通だし。うちの息子の場合は、彼の友人たちが、うちのバックヤードバーのうわさを聞きつけて、ぜひあそこでパーティをやりたいと言ってきたみたい」。

近所でも評判のバーになった

近所でも彼女のバーは評判で、毎週水曜日の夜は、近所の人々を呼んでバドミントンパーティを開いたり、みんなでギターを弾いて歌ったりと、にぎやかだ。

ウィルコックスさん自身は、お酒もあまり飲まず、特にパーティ好きというわけでもなく、むしろシャイで控えめな性格だ。だが、バーを作ってから、仲間たちが磁石に吸い寄せられたようにやってくるようになったらしい。

壁には昔の写真やボトルなど思い出の品がいっぱい(著者撮影)

「ただ、自分に用事があって早く切り上げたいときは、さっと自分の部屋に戻ってしまうこともある。勝手にパーティしたい人だけが庭に残って盛り上がる感じ。バーのカウンターに立って、自分でカクテルを作りたい人も結構多いし、ホスト側の過度なおもてなしはいっさい不要。みんなが楽しみながら率先して片づけしてくれるし、バーを作ってよかった」とウィルコックスさんは言う。バックヤードバーに水道を引けないのが唯一不便な点。でも多少の不便はかえって楽しいという。

最近では、バックヤードバー建築を請け負う会社もあるそうだが、ウィルコックスさんは首をかしげる。「誰かに頼むのではなく自力で作るほうが絶対に楽しい。コツコツ作って、少しずつ完成していくそのプロセスを楽しむのが醍醐味だから」。

長野 美穂 ジャーナリスト

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ながの みほ / Miho Nagano

米インベスターズ・ビジネス・デイリー紙記者として5年間勤務し、自動車、バイオテクノロジー、製薬業界などを担当した後に独立。ミシガン州の地元新聞社に勤務した経験もある。

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