太陽王ルイ14世は文化現象の基準点を創った

ヴェルサイユ宮殿は何がスゴイのか

ルイ14世はいかにしてヴェルサイユを「発明」する事になったのか(写真:bloodua / PIXTA)

時間や空間を図るには確かな基準点が必要となる。しかし、贅沢や美しさという抽象的なものにも基準となる点や線は存在するのだろうか。フランス文学者の鹿島茂は世間一般で言われるように、これまで美しさや贅沢というものには基準となるものなど存在しないと思っていた。しかし、フランス文化史を長年の間、研究し続けるうちに美や贅沢にも基準点が存在するのではないかと思うようになったという。

まるで磁石の針がすべて北極点を指すように

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“個々、バラバラに発生したかのように見える文化現象をよくよく観察すると、まるで磁石の針がすべて北極点を指すように文化現象の針も共通してある1点を指しているかのような印象を受けるのです。とりわけ、18世紀以降の文化現象においては、それが顕著です。”

なるほど、言われてみればそんな気もする。商売で成功した富豪がメディアで自慢する豪邸や彼らが乗り回すラグジュアリーカーの内外装のデザインなども、ある1点をさしているような印象を確かに受ける。その1点とは何か。それはヴェルサイユ宮殿だ。

父から受け継いだヴェルサイユ宮殿を荘厳な大宮殿に改築したのは言うまでもなく、太陽王と賞賛されるルイ14世だ。この偉大な王は、中世的な封建主義がはびこるフランスを他のヨーロッパ諸国に先駆け中央集権化し、絶対王政を敷いた独裁者というイメージが一般的ではないだろうか。ではなぜ、彼はヴェルサイユ宮殿という贅の限りを尽くし、後世から美あるいは文化の基準点とされるような宮殿を必要としたのであろうか。本書『太陽王ルイ14世 ヴェルサイユの発明者』はルイ14世がいかにして文化の基準点となるヴェルサイユを「発明」する事になったのかという点を中心に据えた伝記である。

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