ドコモが「648円スマホ」を発売できた舞台裏 中華スマホメーカー「ZTE」の知られざる活躍

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SIMフリー市場へも本格進出中のZTE。ハイエンドモデルの「AXON」シリーズを日本で投入。「AXON 7」は音響技術に力を入れるなど高い性能を誇りながら、6万円を切る価格を実現している(筆者撮影)

これら2つの戦略転換により、ZTEは現在、SIMフリー向けと大手携帯会社向けの端末販売を同時に拡大する二面戦略で、日本市場での大きな成長を実現しようとしている。これは同じ中国メーカーながら、大手携帯会社向けより自社ブランドを強化し、SIMフリー市場への注力を進めるファーウェイとは、対照的な動きといえるだろう。

事業のバランスをどう取るのか

こうした二面戦略には課題もある。大手携帯会社向けでは、MONOの成功で一定の成果を出したが、SIMフリー市場に関しては、高い価格競争力を持ちながらも、製品ごとのインパクトや知名度の低さもあって、さほど存在感を発揮できていないのだ。

ブランドや製品の認知向上を進めるためには、SIMフリー市場に向けた一層の取り組みが求められる。事業バランスの取り方もさらに難しくなるだろう。

巧みな舵取りによって、双方の市場で高い存在感を示すことができるのか、それともどちらか一方の市場に注力するよう、再び方針転換を図るのか。二面戦略の成果次第で、日本における今後のZTEのポジションは、大きく左右されることになりそうだ。

佐野 正弘 モバイルジャーナリスト

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さの まさひろ / Masahiro Sano

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける

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