ドコモが「648円スマホ」を発売できた舞台裏 中華スマホメーカー「ZTE」の知られざる活躍

拡大
縮小

2016年4月に総務省が打ち出した、スマホの過度な値引きを規制するガイドラインによって、端末価格の大幅な値引きは現在難しくなっている。だが、MONOは本来の販売価格が3万円と安いため、ガイドラインの値引き制限に抵触せず、低価格で販売できる。

ZTEもファーウェイと同様、もともとは携帯電話の基地局などを手掛け、その後スマホなどの端末も開発するようになった企業だ。日本法人の設立は2008年で、日本通信やインターネットイニシアティブなど、格安スマホサービスを展開する事業者(MVNO)にデータ通信端末を提供していた。

加えて、ウィルコム(現在はソフトバンクのワイモバイルブランド)と「次世代PHS」に関する技術の共同開発を進めていたことから、後にウィルコムを傘下に収めたソフトバンクとの関係も深い。

ソフトバンク向けで成長、SIMフリー市場も積極開拓

実際、ZTEは福岡ソフトバンクホークスのスポンサーも務めているし、2015年ごろまではソフトバンク向けの端末供給に注力していた。その多くはWi-Fiルーターやシニア向け携帯電話だが、スマホに関しても、2010年の「Libero 003Z」を皮切りとして、「シンプルスマートフォン 008Z」や「STAR7 009Z」、そしてプリペイド向けの「BLADE Q+」などを供給してきた実績がある。

ZTEは「Libero 003Z」を皮切りとして、ソフトバンク向けにスマホを供給してきた実績を持つ(筆者撮影)

中でも2011年に発売された009Zは、ミドルクラスの性能ながらもワンセグや防水機能を備えており、7色の多色展開がなされたことから、当時ソフトバンクの主力機種として扱われた。

ZTEは現在、先進国市場を開拓する戦略を取っており、そこには米国や欧州に加えて日本も含まれる。そのため、ZTEは2015年ごろから日本で販売を拡大するべく、大きく2つの戦略の変化を見せている。

次ページ大手携帯3社にも端末を供給
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT