ドコモが「648円スマホ」を発売できた舞台裏 中華スマホメーカー「ZTE」の知られざる活躍
中国・ファーウェイや台湾・エイスースが、どの会社の通信回線でも使える「SIMフリースマートフォン市場」で大きな存在感を発揮している。そのため、昨今では中華スマホメーカーといえばSIMフリー向け、というイメージが強い。
だが実は、製品を大手携帯会社向けにも提供し、存在感を発揮するメーカーもある。それが中国のZTE(中興通訊)だ。SIMフリー向けと大手携帯会社向けの両方を攻める「二面戦略」で、ZTEはどこまで勢力を伸ばすことができるだろうか。
国内外で多くの低価格スマホを開発・製造
ZTEの戦略を象徴するのが、2016年10月にNTTドコモが発表した「MONO MO-01J」である。MONOは4.7インチディスプレーを採用したベーシックなスマホ。特別な機能は備えていないが、防水・防塵機能を搭載するなど、使い勝手のよさと安心感を備えているのがポイントだ。
デザイン的にも「一昔前のスマホ」という印象で、一見地味な存在に思える。だがその発表は業界に衝撃をもたらし、一躍注目される存在となった。理由は価格にある。MONOは12カ月の継続利用などを条件に端末価格を割り引く「端末購入サポート」を適用すると、たった648円で購入できてしまうのだ。
ZTEはOEM(相手先ブランドによる生産)やODM(相手先ブランドで製品を設計・生産)として、国内外で多くの低価格スマホを開発・製造してきた実績を持つ。そのため、ドコモが要求する品質を満たしながらも、超低価格なスマホを提供できたのだ。
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