コンテストの審査員は、オプトホールディング社長の鉢嶺登氏を委員長に、BCSV会長のピーター・ベル氏、500 Startupsのマーヴィン・リャオ氏など一流の経営者や投資家が総勢12名。うち6名が海外からの審査員で、英語と日本語の入り交じるピッチイベントになりました。
エコシステムビルダーの1分間の事業紹介に続いて起業家が5分間のプレゼンテーション。各起業家はピッチイベントを勝ち抜いた猛者だけに、プレゼンテーションは明確かつ説得力を持ちます。そして、繰り返し聞こえてきたフレーズが「世界を変える、社会をより良くする」。事業に対する熱意が伝わります。どこが優勝してもおかしくないピッチが続きました。
審査員の反応も上々で、「今までいろいろなピッチイベントを見てきたが、こんなにレベルが高いのは珍しい」との評価が相次ぎました。
そして、注目の優勝者は、ポケットマルシェ (Infinity Ventures Summit) とアグリバディー (未来2017) の同率優勝に。課題解決のインパクトが評価されました。
ポケットマルシェの高橋博之社長は次のように言います。「チャンピオンズリーグとも称される日本最高峰のスタート・アッププレゼン・バトルだけに、ゲノム創薬やAI、VRなど、登壇した12社は猛者ばかりでしたが、生産者と消費者をつなぐポケットマルシェのメッセージが、外国の方が半数を占める審査員にも伝わり、大きな自信になりました。まだまだこれからですが、一生懸命頑張るので応援よろしくお願いします」。
また、アグリバディーの支援者である日本総合研究所主席研究員の東博暢氏は以下のようにコメントしました。「今回参加したエコシステムビルダーは、すべてにおいて同じものはなく、特徴的なのが印象的でした。これからは、エコシステムビルダー同士が緩やかに連携することで、コミュニティ間の接続・連携が起こり、系としてのエコシステムがさらに拡大・高度化するフェイズに入ってきたと考えます。スタートアップの皆さんは、各々のコミュニティの特徴をつかみ、時にはしたたかに目的をもってコミュニティを渡り歩きながら、事業の成長につなげ、世の中をより良く変革し続けていただければと思います」。
エコシステムの拡大は続く
各支援団体を横断的につなぐこのイベントは事務局の丁寧な準備のうえに実現しています。イベントの企画を進めたウィズグループの奥田浩美代表は次のように語りました。
「いま、日本では多くの人がスタートアップを支援しています。それでも諸外国と比べ少ない、足りない、と言われています。でも少ない、足りないと言い続けている側ではなく、変化を作り続けている人たちがいる。そういう人たちを舞台に上げて、現在日本のスタートアップが誰にどのように支えられて成長しているのかを、普段スタートアップの世界に接していない人たちにも実感してもらいたかったのです。さらには地方のスタートアップがちゃんと世界と肩を並べて戦えることも伝えたかったし、東京が、地方が、世界が、みたいな区分けも取り払いたかった・エコシステムビルダー、耳慣れないこの言葉にこだわり、日本全国を飛び回って企画説明をしてきました。日本のそうそうたるメンバーがひとつの舞台に立つ。審査員も登壇者もダイバーシティーあふれるものにする。イメージは簡単でしたが、本当に全員が立ってくれるか? 実は企画時は不安もありました。でも、コツコツとこれまでにつないできたネットワークのもと、結果的に打診をさしあげたすべての方、1人残らず受けていただけました。自治体、国までもです。そんな想いがこもったネスト・スタートアップ・チャレンジ。新経済連盟の空気のもとでこそ創れたものだと思っています」
ネスト・スタートアップ・チャレンジはベンチャーの旗手から成長して大企業となった企業群が牽引する新経済連盟のイベントにふさわしいピッチコンテストになりました。それにしても、認識を新たにしたのは、全国各地、各セクターにおけるスタートアップ・エコシステムの大きな進展です。今後ともますます活動や運動が拡大し、世界に羽ばたくスタートアップが多数輩出されることを期待しています。
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