3カ月でTOEICが400点アップした人のやり方 不可能を可能にするシャドーイング

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はじめのうちは、この程度のボリュームで十分でしょう。このように「もっとできるな」「もっとやりたいな」というところで止めておき、徐々に長くしていくという方法がおすすめです。

いくら気持ちが急いていたとしても、無理をするのは禁物です。英語初心者の人は、シャドーイングする内容をあらかじめ把握しておくのが賢明です。

たとえば、教材として使いたい映像の内容が日本語に訳されている場合、まずはその日本語訳を口に出して読んでみます。ドラマを使ってシャドーイングをするならば、そのドラマの流れをしっかりと把握してから取り組むのがいいでしょう。たとえば「FRIENDS」(1994年~2004年 アメリカNBC/ジェニファー・アニストン他)のようなバラエティ色の強いドラマであれば、笑いどころと、その笑いの理由を事前に把握してから行うとより効果的です。

内容がわかっていると、安心してシャドーイングに取り組めるものです。何よりも、知らない単語があっても内容を推測することができます。この感覚が大切なのです。

ちなみに、シャドーイングをしている時は、文の意味を理解しようとしなくても大丈夫です。意味がわからなくても、「どうしよう、わからない!」と焦りの感情を抱いたりしないこと。英語の上達には、「安心して楽しめていること」が何よりも大切です。ハードルを低く設定し、そのハードルを確実に飛び越え続けることが肝心なのです。

身につくまで何度も繰り返す 

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シャドーイングを体得するためには、とにかく繰り返すことが大切です。何日もかけて何回も繰り返していると、やがて、ほとんど無意識の状態でシャドーイングができるようになってきます。シャドーイング自体が快感になり、スピーチの強弱や言葉のニュアンスなども自然な感じで表現できるようになっていくものです。

シャドーイングの繰り返しは、計画的にやることをおすすめします。たとえば、Aというコンテンツなら、1日に10分を1週間繰り返してみます。最後の日は、ちょっと長く時間をとって全編を通してシャドーイングに挑戦してみるのもいいでしょう。表などを作って、実行したことを一つひとつチェックしていくと、より“やった感”や“進んだ感”を実感することができます。

大きな目標にワクワクしながら、今日できることを毎日、続けていくことで確実に英語が身についていくのです。

三浦 将 人材育成・組織開発コンサルタント/エグゼクティブコーチ

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みうら しょうま / Syoma Miura

英国立シェフィールド大学大学院修了(理学・経営学修士)、大阪府立大学工学部卒。大手広告会社、外資系企業を経て、人材育成コンサルティングや企業研修を行う、株式会社チームダイナミクスを2014年に設立、代表取締役に就任。アドラー心理学やコーチングコミュニケーションを基にした独創的かつ効果的な手法で、リーダーシップ開発、チームビルディング、社内コーチ養成プログラムなどを中心に、企業をサポートしている。著書に『自分を変える習慣力』『相手を変える習慣力』などがある。

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