1/5 PAGES
2/5 PAGES
3/5 PAGES
抗がん剤の毒性による副作用が起きないのは、高分子ミセルががん細胞だけを狙い撃ちするから。高分子ミセルに包まない従来の方法では、がん細胞も正常細胞も無差別攻撃していたため、嘔吐や脱毛などの激しい副作用が起きていた。
また、「薬剤耐性」といって、抗がん剤を何度も使うとがん細胞が解毒タンパク質を作り、薬が効かなくなってしまうという問題がある。片岡教授の言葉を借りれば、「兵隊(抗がん剤)がワーッと押し寄せても、入ってくるそばからみんな殺されてしまう。だから王様のいる本丸(がん細胞の核)はまったく平気」という状況だ。核を攻撃できないかぎり、がん細胞は殺せない。
しかし、高分子ミセルは「トロイの木馬」。がん細胞に入った後、「本丸の近くまで木馬で近づく。酸性度が高い本丸の周辺で木馬の扉がバッと開き、兵隊が城の天守閣になだれ込む」という巧妙な仕組みで、がん細胞を討伐する。
この記事は有料会員限定です
残り 2790文字

