副業を軽く見ている人がハマりかねない罠 いざというときに会社とモメるリスクも

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

休業補償給付とは、労働者が業務上の傷病により休業せざるをえなくなった場合に支給される生活保障です。その額は、休業前3カ月間の1日分の給与平均額を算出し(給付基礎日額という)、その額の60%を支給するものです。また、これとは別に休業特別支給金として20%が支給され、1日につき、合わせて80%が支給されます。

「80%なら8000円になるはずでは!?」

T君は、印刷会社の給料とビル清掃のバイトで月に30万円ほどの収入を得ていました。したがって、休業補償給付は1万円の80%である8000円はあるものだと思っていました。ところが、ケガはビルの清掃中に発生したものですので、その使用者責任はバイト先であるビル清掃会社にあります。

逆に言うと、印刷会社には使用者責任はいっさいないということになります。つまり、労災保険上もビル清掃会社の保険が適用されますので、平均賃金の算出もビル清掃会社から支払われた時給1200円がベースとなり計算されたというわけです。

※給付基礎日額の最低保障額は3910円(平成28年8月1日から平成29年7月31日までの間)なので、T君の休業補償額は3910円×80%=3128円となります。

もし、T君が印刷会社でケガをしていたのであれば、休業補償給付の額は約6600円と倍以上になっていたでしょう。もし、T君がこの仕組みを知っていたら副業にビル清掃を選択していたでしょうか? 今となっては悔やんでも悔やみきれない出来事でした。

「割増分も払ってください」

T君から言われてN社長は仰天しました。なぜなら、T君の残業は1時間だけだし、その1時間については8時間以内なので25%の割増はつけないまでも通常の賃金は支払っていたからです。

「君は1時間しか残業していないだろ」

こう切り返した社長にT君は続けてこう言いました。

「アルバイトする日は8時間以上働くことは承知していたはずです。だから1時間分は25%増しじゃなければダメだと聞きました」

次ページ割増賃金の支払いはどうなる?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事