副業を軽く見ている人がハマりかねない罠

いざというときに会社とモメるリスクも

最初のうちは「気分転換にもなって楽しい」「本業にもいい影響がある」と張り切っていたT君ですが、2カ月も経つころから「バイトが始まるギリギリまで残業した日の翌日はきついです」と社長に漏らすようになりました。社長としては「わが社の副業第1号が早々にリタイアしたのではカッコ悪い」と考えたようで、残業を18時までの1時間のみとし、T君に副業を続行させることにしたのでした。

残業を少なくしてもらったものの、T君は心にモヤモヤしたものを抱えていました。

「残業したほうが生活は楽だ」

T君の月額給与は25万円。これを時間単価にすると1507円(25万円÷166時間)で、25%増しの残業代なら1884円(1507円×1.25)になります。つまり、無理して副業をするよりは他の社員のように残業したほうが給与としては断然多くもらえます。

そんなT君にさらなる試練が訪れます。

休業補償がたったの3000円

T君はビル清掃の最中に階段から足を踏み外し、右足を骨折してしまい、バイトも会社も約1カ月間は休まなければならなくなってしまいました。そこで、T君はN社長にその旨を報告し「治療費と欠勤中の生活費」について相談をしました。すると社長からこんな言葉が。

「骨折はバイト中の事故だからバイト先に相談しなさい」

また、欠勤中の生活費についても、

「入社間もないから年次有給休暇はないよ」

と言われてしまい途方に暮れていました。そこで、T君を見かねた人事担当者が声を掛けました。

「労災から休業補償給付が出るはずだ」

「助かった」。これを聞いたT君はさっそくバイト先に連絡をし、労災の手続きを進めることとなったのでした。

治療費は労災で全額負担されることを知り一安心していたT君ですが、休業中の補償額を聞かされ、再び途方に暮れることとなりました。休業補償は1日につき、たったの約3100円しか支給されないというのです。

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