そして人事担当者の多くが口をそろえるのは、その写真が自分で撮ったものか、それとも街中に設置されている証明写真ボックスで撮ったものか、はたまた写真館や写真スタジオで撮ったものかは、大体わかるということ。もちろん、それが重要な判断基準になることはないが、ある程度質の高い写真のほうが好印象につながる可能性が高いということだ。お金をかければいいということではなく、写真1枚に手を抜かない姿勢から、就活への意気込みの高さが伝わってくるのだ。
最近、学生のために証明写真ボックスを校内に設置する大学は珍しくないが、生協の食堂や教室、会議室などに即席の撮影会場を設置し、プロのカメラマンを呼ぶ大学が増えている。ボックスで撮った写真と、プロのカメラマンが撮った写真と、どう違うのだろうか?
写真スタジオは“客観的な視点”で撮影している
関東の60校以上の大学および生協と提携し、証明写真を出張撮影している東京プロカラーの井上聖治・営業本部長は、「証明写真ボックスで撮った写真は、被写体とカメラマンが同一人物です。たとえるならば、鏡に写った自分を撮るようなもので、見た目とのギャップが出やすいのです。その一方、カメラマンが撮影する写真は、客観的な目で見て、できるだけ相手によい印象を与えやすい写真を撮ろうとしますから、ギャップが生じにくいのです」と、スタジオ撮影のメリットをそう説明する。
同社は、”ポーズマン”と呼ばれるスタッフがカメラマンと同行し、髪形や服装の乱れを整えたり、よい表情を作るために雰囲気を盛り上げたりするという。また、撮った写真を15インチの液晶モニターでチェックしてもらいながら撮影するので、こだわりのある人でも、納得のいくまで撮影することができる。
料金は18枚組のシール付き写真にパスポートサイズの証明写真4枚と画像データのCDを加えて2950円。各地にスタジオを構えるのではなく、出張撮影をメインにしているからこそできる、リーズナブルさだ。WEBによるエントリーが増えてきたことを受けて、数年前からデジタルデータの提供も必須サービスとして加えた。プリントアウトも可能な1メガバイトのサイズだけでなく、WEBでアップデートできる500キロバイト、100キロバイト程度の軽いサイズの画像データも作成して渡しているという。
意外だったのは、同社では「修正」や「美肌」といった仕上がり加工は、一切行っていないということ。
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