スペイン発キャンデー「パパブブレ」の正体 なぜ店舗に人だかりができるのか

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ゴールドをテーマにしたホワイトデー限定商品。インパクト抜群の入れ歯や歯ブラシなども、もちろんあめでできている(写真:カンノ提供)

本店がオープンしたのが2003年。「日本でもこの店をやりたい」と考えた菅野氏は、オーナーに頼み込んで、あめ作りの技術を1年間、本格的に学んだほか、フランチャイズ契約を結ばせてもらったという。

「昔はこういう手作りのあめ屋さんはたくさんあって、トミーさんもどこかの職人さんに習ったんだと思いますよ。技術としては難しくないし、やろうと思えば、自分ひとりで別の店舗として始めることもできました。でもやはり、アイデアを使わせてもらうのだから、パパブブレの名を引き継ぐのが大切だと思ったんです」(菅野氏)

2004年に帰国、2005年6月に中野店をオープンした。資金は親から借り、一部は金融機関の融資を受けたというから、本当にゼロからの出発だったわけだ。

「親や友人は心配しましたよ。開店してからも、通りすがりの人に“お兄ちゃん大丈夫か”と言われたり(笑)。地元の人が使ってくれて、ぼちぼち売れていった感じです」(菅野氏)

「ご近所付き合い」は本店で学んだ

パパブブレを運営するカンノの菅野清和社長(筆者撮影)

立地を選ぶ際、決め手となったのは、スペイン本店の立地に雰囲気が似ていたこと。駅から5分以上といわゆる「いい場所」ではないが、新井薬師への参道で昔ながらの商店がちらほらと残り、一方で住宅も多く、地域のコミュニティが作られていると感じた。「ご近所付き合い」は、本店で学んだビジネスノウハウのひとつでもあった。

売れ始める契機となったのも、そうしたお付き合いのひとつからだった。オープンした年の年末、ある経済誌の記者が偶然近所に住んでいたことから、記事で取り上げてくれたのだという。次にスペイン本店がテレビの紀行番組で取り上げられ、「日本にもあるらしい」と、話題が沸騰した。

「100メートル先まで行列が道を埋め尽くして、生産も間に合わず、正直困りました」(菅野氏)

2010年に渋谷店をオープンするまでの5年間は、スタッフを増やしたり生産過程を工夫するなど、生産力を上げるとともに、「最高のあめを作りたい」と日々精進した。菅野氏が1万回あめを作ったのはこの頃である。

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