スペイン発キャンデー「パパブブレ」の正体 なぜ店舗に人だかりができるのか

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商品の技術や店舗デザインをはじめとするブランディング、販売方法など、すべて本店から受け継いだものだが、実は、日本向けにアレンジしたところもある。あめそのもののサイズを小型化し、ひとつのパッケージの容量も小さめにした。味も日本人向けに変えていったという。

「“外国”を感じられる見た目はいいんですが、味も外国ではダメみたいですね。日本人のほうが、味覚がより繊細なのだと思います。もともとのヨーロッパのあめ作りも、計量の仕方など大ざっぱですしね」(菅野氏)

レシピ開発に役立った「実演方式」

あめそのもののサイズを小型化し、ひとつのパッケージの容量も小さめにした(写真:カンノ提供)

レシピを検討するにあたっては、実演方式が役に立った。試食をしたお客の反応を見ながら、次の商品に生かすことができるためだ。

「それは今もそうです。いわば、スタッフ全員が商品開発者です。日々、お客に接することによる、商品作りへの真剣な姿勢というのは、大きな強みになっていると思います」(菅野氏)

近年では日本オリジナル商品として、キャラメルやグミ、マシュマロといったソフトタイプの砂糖菓子も開発。こちらも非常に好評だという。

キラキラと輝くキャンデーを五感で味わえる、夢の空間にするために、菅野氏が大切にしていることがある。「スタッフが幸せに働けていること」だそうだ。言葉では簡単だが、9店舗を経営し、従業員数65人を率いる社長として人に言えない苦労もあることだろう。しかし、「人生が幸せになるような会社にしていきたい」と語る菅野氏の表情には、陰りはなかった。バックパックひとつで飛び出した20代の夢と情熱が、心にそのままあるのかもしれない。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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