崎陽軒、「シウマイバル」出店の意外な狙い そこにはあふれんばかりの横浜愛があった
東京駅にシウマイバルという新業態を出店した崎陽軒だが、実はお膝元の横浜では、ランチ時間には行列が絶えない人気店を展開している。
その名も「亜利巴"巴"(アリババ)」というビアレストランで、崎陽軒本社近くに同社が構える飲食店ビルの地下1階にある。同店では、ランチ時にバイキング(平日大人2000円、子ども1100円、休日大人2300円、子ども1200円)を実施。ここでも、蒸し立てのシウマイが好きなだけ食べられる。
巨大なセイロの中に100粒以上のシウマイが並ぶ様は想像するだけで、テンションが上がる。さぞ皆さん、たくさんシウマイを食べて帰られるのだろうと思いきや、実はそうでもないらしい。
「シウマイなど中華のメニューだけでなく、カレーやピザなどの洋食のメニューもいろいろとそろえています。デザートまで含めると、メニューの数は優に30種類以上になります」と野並専務。初めて訪れる客だけでなく、リピーターが多いのも特徴で、中には週に何度も足を運ぶ常連も少なくないという。
アリババの来客数は、バイキングだけでも平日平均150人。週末になると、200~250人が訪れる。こちらは、シウマイバルと違って、友人同士やカップル、家族連れなどが目立つそうだ。
出会いから結婚までシウマイで完結!
アリババが入居するビルには、このほか喫茶店やイタリアンレストラン、結婚式場も備えている。野並専務はこのビル自体がちょっとしたストーリーを考えて構成されている、と話す。いわく、「大勢で楽しめるビアレストランで出会って、ちょっと高いイタリアンレストランで食事、個室のある3階のレストランで結納をし、崎陽軒本店で結婚披露宴をあげられます」。
本店ビルにはチャペルも完備、実際に年間60~70組がここで披露宴を開くという。披露宴では、ウエディングケーキならぬ、巨大な「ジャンボシウマイ」が登場する。
「崎陽軒のシウマイ」といえば、旅のお供であり、酔ったお父さんの手土産、あるいは、家族が夜一緒に食べるものというイメージが強い。しかし、時代が変わるにつれて、消費者のシウマイとの接点も変わってきている。それでも、こうした地元密着型の取り組みや、創業時の味を守るという姿勢から親子2代、3代「受け継がれる」体制ができている。今後は、地元活性化を目指して始まった、シウマイバルなどを通じて、新たな需要や顧客を開拓できるか。老舗企業の挑戦の成果がどうなるか、横浜市民ならずとも気になるところだ。
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