崎陽軒、「シウマイバル」出店の意外な狙い そこにはあふれんばかりの横浜愛があった
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そのシウマイバルでは常時、「昔ながらのシウマイ」や「えびシウマイ」など5種類のシウマイを提供。「これらのシウマイを全種類、アツアツの状態でお召し上がりいただけるのがシウマイバルの最大のウリです。当社のシウマイはもともと、冷めてもおいしいというのが特長で、アツアツの状態で召し上がっていただけるお店はありません。特にバルの形態は今回のお店が初めてです」と、同社の野並晃専務は話す。
このほか、季節限定のシウマイを加えた6種類を食べ比べられる「シウマイ全種盛り合わせ」のほか、シウマイ弁当のおかずとしてファンが多い、筍の煮物やマグロのネギ和えも提供。ランチ時には、シウマイが入ったカレーなども出している。
おひとりさま「ちょい飲み」需要をキャッチ
前述のとおり、シウマイと弁当販売が主力事業となっている崎陽軒が、なぜ東京駅に新業態を出店したのだろうか。野並専務はこう話す。
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「もともと東京駅周辺の商業施設の中には、何カ所か売店を出店していました。しかし、東京駅は全国から人が集まる場所なので、さらに駅に近い場所に出店できないかという希望を持っていました。そんな矢先、一番街への出店のお話をいただいたのが発端です」
「当社としては、物販での出店を念頭に置いていたのですが、今バルがある場所は間口が広いので、物販だけではなく飲食店も備えた形で出店できないか、社内で検討した結果、売店を併設した飲食店の形が最適だと判断しました」
訪れる客は1日平均200人ほどと、「予想していたより多い」(野並専務)そうで、当初考えていたより夜需要が高いという。1人で仕事帰りに立ち寄る客が多く、滞在時間は30分程度。アルコールなどを含めて客単価は1000~1200円程度と見る。
崎陽軒としては、当初バルの売り上げを、物販7、飲食3程度の割合になると予想していたが、フタを開けてみると、最初の1カ月は物販3、飲食7と数字が逆転した。「崎陽軒がバルを始めた」と多くのメディアが取り上げたことなどから、ちょい飲みに寄るお客が予想以上に多かったことが、飲食の思いがけぬ好調につながったと、同社では分析している(ちなみに現在では物販飲食は5対5程度)。気軽に立ち寄れるバルという形態が、「おひとりさま」「ちょい飲み」という、現在の消費スタイルにマッチしたということだろう。
東京駅に出店することで、これまで崎陽軒を知らなかった関東圏の人以外にも、会社とシウマイの認知度を上げることが、バル出店のひとつの目的になっていたのではないかと聞いてみたが、意外な答えが返ってきた。
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