「仲の悪い」若手と年配がわかりあえる方法 互いの話を聞き、立場を思いやれるか

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しかし「勇気」を選び自分の変化によって周りが変わることを実感できた人は、その後の充足感が格段に増します。

「部下が話を聞いてくれない」という悩みをもつシニアに「家庭ではどうですか?」と聞くと、大抵の場合、家族ともコミュニケーションが疎かになっていることが多く、それは立場の問題ではなく、当人のコミュニケーション能力の問題です。まずは「自分を知ること」が「シニアの品格」を身に付けるための最初の一歩となります。

「エンプティチェア」というテクニック

【2】心の不純物を取り除く

「ただ話を聞くだけで人は自分の中にある答えを見いだし、問題を解決していく」

ただただ、話を聞くことで多くのことは解決されます。話を聞いてもらうこと、それが心の不純物を取り除くいちばんの解決方法なのです。「自分は解答をもっていない」という意識で相手と接することは重要です。判断も助言もせず、ただ聞くこと。結論や答えを出さないと決めて、ただ聞くこと。

ベテラン社員と若手社員、どちらにも言い分はあります。もしかすると、話を聞くだけで相手は問題を自ら解決してしまうかもしれません。

話を聞いてあげるだけで人は癒され、不思議と相手との関係性も良くなっていきます。さらに話を聞くと同時に大切になってくるのは「相手の立場に立って考える視点」です。「相手の立場に立って物事を考えなさい」と誰もが幼い頃から親や教師に言い聞かされてきたことだろうと思います。

相手の立場を体感する方法として、ゲシュタルト療法の「エンプティチェア」というテクニックがあります。

【3】エンプティチェアで相手の立場に立つ習慣

エンプティチェアは座る場所を交代して相手になりきり「相手の内的観点に立つ」という手法です。

「この質問に対して相手はどう答えるだろう?」と推測しながら相手の観点に立ち、投げかけられた質問に答えていきます。そして自分と相手の立ち位置が変わることで、今まで考えようとしなかった考え方に出合います。そこで凝り固まっていた頭が解放され、目の前にあった自由に気づくことができるのです。

「この相手ならこう答えるだろう」と推測できるということは、相手がこういう風に考えているというのをすでに知っているということです。知っていて無意識に目を逸らしているのです。コミュニケーションの溝はここにあります。

議論をする前に一度相手の立場に立って考えてみると、今まで気づかなかった相手の価値観に気づけるかもしれません。

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