キッコーマン、「量より価値」追う 「しぼりたて生しょうゆ」の立役者、堀切・新社長に聞く

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――野菜や肉などを加えるだけで和風惣菜が作れる調味料「うちのごはん」シリーズも好調ですね。

2002年の発売から、ここに来るまで10年以上かかっています。最初は5品ほどだった商品数も、現在では23アイテム。毎年リニューアルを重ねて、最初のころと比べると格段においしくなりました。

単身世帯や高齢者の世帯では、料理にあまり手間をかけたくない。「うちのごはん」シリーズは、冷蔵庫にある材料を加えて、手軽にもう一品を作ることができ、それでいて手作り感もあるという商品です。これで、食事に手間をかけなくても食べられるというニーズに応えています。

簡便性と健康が価値

――現代の日本の消費者にとって、何が“価値”と認められるのでしょうか。

ひとつは簡便性でしょう。足もとでは、冷凍食品の売り上げが好調です。すぐに食べられるとか、簡単に調理できるという簡便性の高い商品は、まだ伸びる。もう一つは健康にいい食品でしょうね。基本的には、おいしく健康に食べたいというニーズは変わらないと思います。

――キッコーマンの主力商品はしょうゆですが、それ以外の商品のラインナップも数多くあります。

当社の非常に大きな転換点は1995年です。それ以前は、あくまでもしょうゆを中心に売っていた。商品開発も、しょうゆが中心でした。つゆメーカーやたれメーカーに加工用のしょうゆを販売しているという事情もあり、あえて競合しないようにしていたのでしょう。しかし、私がしょうゆ関連調味料のプロダクトマネジャーになり、「しょうゆを買ってつゆを作るより、最初から商品になっている方が、お客様も便利だろう」と考え、「本つゆ」という商品を発売しました。その2年後には「わが家は焼肉屋さん」というブランドで、たれにも参入しました。

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