業績悪化のグリー、エース青柳氏が国内復帰 海外責任者兼務の一方、国内事業を統括へ

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青柳氏は06年3月にドイツ証券からグリーに転職。同年7月、グリーの取締役に就き、グリーが躍進するきっかけとなったKDDIとの資本提携などを主導した。その後、海外市場に活路を求める最中の11年1月に設けた米国子会社のCEOに就任。11年4月の米オープンフェイント(買収金額約85億円)、12年5月の米ファンジオ(買収金額約169億円)の買収などを敢行し、グリーの海外展開の総責任者として指揮を執ってきた。

ところが、グリーの海外展開は苦戦が続いている。「年内の黒字化を目指す」(秋山仁コーポレート本部長)という状況で、グリーとしては国内にエース人材を引き戻さざるを得なくなった格好だ。

「海外事業は実質撤退」との見方も

青柳氏に課せられる使命は、落ち込んだ収益の早期回復だ。

グリーの13年4~6月期は5四半期連続の営業減益が見込まれており、株式時価総額はピークの3分の1以下に下落している。また、グリーはDeNA(ディー・エヌ・エー)と比べ国内事業に従事する単体社員が2倍近くいることから、リストラの必要性も指摘されているほど(関連記事はこちら「海外拠点閉鎖のグリー、焦点は国内リストラ」)。ネイティブアプリゲーム市場での成功なくして、グリーの再成長はなく、同社の取引先関係者からは「今回の担当変更からはグリーの焦りが見て取れる」との声が聞かれる。

同時に今回の担当変更は、グリーが一旦、海外事業の拡大をあきらめることを意味していそうだ。すでに7月末まで英国ロンドンオフィスなど8つある海外拠点を半減させることを決めており、青柳氏が国内に軸足を移すことで、まずは国内市場のテコ入れを優先する。「青柳氏は引き続き海外事業責任者を続けていく」(グリー広報)とするが、「海外事業は実質撤退と言っていい」と見る別の関係者もいる。

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