メーカーは、消費者向けに製品をつくるBtoC企業が上位にランクインする傾向だが、中でも食品の人気が高い。具体的には明治グループやロッテグループ、キリンなどが上位に顔を出す。
業界そのものの将来性も、ランキングにも反映される傾向にある。7~8年前まで人気となっていたマスコミはこのところ凋落が激しい。2007~2008年と2010年にランキング1位だったフジテレビジョンは、ここ数年、30位前後にとどまっている。少子高齢化で国内を主体に展開する業界に対しては成長性への懸念を学生も抱いている。その典型例となるテレビ局が年々ランクを下げている格好だ。一方、同じマスコミでも、コンテンツビジネスに海外展開の余地がある集英社や講談社などは、比較的上位にとどまったまま。内需向けでも、海外展開などの成長の可能性があると判断されれば、評価が変わらない傾向となっている。
業界の将来性や足元の業績が色濃く反映
さらに足元の業績にも敏感だ。2017年卒のランキングでは、三菱商事や三井物産など大手商社の多くがランキングを下げたが、ちょうど調査時期は原油価格低迷を受けて資源関係の巨額損失を計上した時期であり、ランキングにも影響を及ぼした。今年はマイナス金利などの影響を受けている金融機関や、長時間残業問題で揺れる電通がランキングにも影響を及ぼす可能性が高いが、それでも上位に入る人気企業であることには変わりはないだろう。
今年も安定的で成長性が見込めそうな企業が上位に顔を出す傾向は変わらないだろう。しかし、BtoB企業のように将来の成長性が高いにもかかわらず、知名度が低いためにランキングに出てこない企業も多い。そうした企業は競争倍率的には”穴場”という見方もできる。ランキングには出てこない成長企業を探すのも一手といえるだろう。
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