なお、表に「前半」とあるのは、この調査が就活の序盤から中盤に行う調査と、就活の終盤に入ってから行う「後半」で1年間に2回行っているため、区別するために「前半」と表記している。前半のほうがイメージ先行型になるが、後半のほうは就活をほぼ終え、より現実的な視点から企業を選ぶ傾向が強い。今回のランキングはすべて、前半のみの結果を掲載している(昨年の後半の結果はこちら)。
ここ最近の傾向として「金融人気」が挙げられる。中でもメガバンクの人気が圧倒的に強い。2017年卒(2017年3月に卒業・4月に入社する就活生が対象)ランキングでは、1位がみずほフィナンシャルグループ、2位は三菱東京UFJ銀行となっている。これまで三菱東京UFJ銀行が2013~2016年卒まで4年連続でランキング1位を獲得していたが、2017年卒のランキングではみずほフィナンシャルグループが1位となるという“異変”があった。三井住友銀行もトップ10前後につねにランクインしている。
メガバンク筆頭に金融の上位続く
人気の理由の背景は、企業の安定感・安心感があることだろう。安定的な収益を上げる金融機関で「仕事をしたい」と思う学生は多いだろう。もうひとつは、「親が安心する」という点。昨今は就職活動に親の関与が高いといわれている。たとえ仕事面で魅力のある会社だったとしても、親が知らない企業や親がマイナスのイメージを持っている企業だと、就職に反対されるケースが増えている。
その点、知名度の高いメガバンクや大手金融機関であれば、そうした懸念はない。さらにメガバンクは、採用人数も1000人以上と多い点も人気を集める理由だ。2017年卒生はみずほフィナンシャルグループが1880人、三井住友銀行が1450人、三菱東京UFJ銀行が1250人の採用を予定している(詳しくは2016年12月5日配信「最新!『新卒を多く採用する』200社ランキング」を参照)。
同様の理由で、損害保険、証券などの金融機関が上位にランクインする傾向にある。2017年卒の場合、トップ10のうち7社が金融機関という結果になっている。野村証券、大和証券グループ、損保ジャパン日本興亜などが毎年上位に顔を出しているが、採用数は600~900人程度と多い。
金融以外で上位の常連となっているのが、JTBグループと、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の航空2社。旅行関連というくくりで見ることもできるが、ともに海外で仕事をするグローバルなイメージがあることが上位定着の理由のひとつとなっている。また、2020年の東京五輪開催や、インバウンド(訪日外国人)拡大が国の大きな政策となっていることから、成長の可能性が高いと見て人気を集めている。
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