「トランプ相場」で凡人がしぶとく儲ける方法 「騎手」が危険でも米国経済はまだ走っている

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トランプ大統領に任せて、米国経済は大丈夫なのか?投資はもうやめたほうがよい?(2007年当時のトランプ氏、写真:Scott R. Galvin/UPI/アフロ)

米国経済は「プロレスのような競馬」に巻き込まれた!?

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ドナルド・トランプ米大統領の暴走が止まらない。「さすがに正式に大統領に就任したら少しは無難に振る舞うようになるのではないか」との世界の期待をあっさり裏切った。

就任初日にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の離脱を決め、特定国からの入国者を対象とする入国拒否、国境の「壁」の建設などを次々大統領令で指示し、ついに恐れていた日本の金融緩和による円安政策への批判も出て(直接的な円安政策ではないが、デフレ脱却は円安を指向しているので全くピント外れというわけでもない)、しばしの円高・株安をもたらした。

トランプ大統領のツイッターの見方については、当連載三人組のお一人である、かんべえ先生が先日解説して下さったが、その後も暴言ツイートは止まらない。既に決着が付いたはずのヒラリー・クリントン氏に対して続く執念深い攻撃などを見ると、トランプ大統領が少なくとも「普通のマトモな人」であるとは思えない。

もっとも、トランプ大統領の発言はなにがしか割り引きながら聞くべきなのだろう。たとえば、為替に言及されることが日本にとって「痛い」のだとわかると、彼は為替を日本との交渉材料に使うことができる。相手を不安にさせて譲歩を引き出すのは交渉の常道だ。彼は、まちがいなく変な人だが、物事が分からないバカではない。時々賢いところがむしろ厄介だ。

競馬好きエコノミスト(当連載のタイトルである)として、目下の状況を競馬に喩えるなら、米国経済という馬には、トランプという奇妙な騎手が乗っている。そして、いきなり斜行したり、隣の馬にムチをくれたり、大声を上げたりして、あたかもプロレスのような奇妙なレースを展開している状況が今の米国だ。観客席でも、賛否が分かれてもめ事が起こっている。

競馬の勝敗を決するファクターは、俗に「馬7、人3」と言われている。「第45代合衆国大統領杯」(本来なら最高級の格付けのGⅠだが、トランプ政権は年寄りが多いので「爺Ⅰ」だ!)の場合、「人」=騎手はどうやら、相当に「変」なのだが、「馬」に相当する米国経済は目下好調であり、まずまずのペースで飛ばしていて、脚色が良い。

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