1ドル100円へ逆戻り?円安シナリオに暗雲 「トランプリスク」だけではない円高要因
日本時間で2月2日早朝、FOMC(米公開市場委員会)の結果が発表された。「利上げなし」は事前予想通りだが、FOMC声明文で利上げ時期の示唆がなかったことから、一時1ドル=112円台へドルを売る動きが出た。
ただし、新たに発表された米景気指標(1月のISM製造業景況指数・ADP雇用統計)が予想以上に強く、米景気好調の見方は変わらないので、再び1ドル113円台へ円安が進んだ。2日の日本市場では、再び112円台に円高へ逆戻りしている。
米国に利上げがあってもドル高は限界
市場コンセンサスでは、年内に3回の利上げが予想されている。その期待がドルを支えている。利上げがあれば日米金利差が拡大し、さらなるドル高(円安)が進むとの見方につながっている。
筆者は、もし利上げがあってドル高(円安)が進んだ場合でも、1ドル115-118円辺りが限界と考えている。それよりも、利上げの遅れと、トランプ大統領の円安批判を背景に、これから円高が進むリスクが高まっていると見ている。1ドル100円も十分にあり得る。
ドル円為替レートを動かす要因は無数にあるが、重要なものに絞れば、以下の3つだ。
(1)米金利差→米国の利上げがあると金利差拡大で円安に
(2)政治の介入→米政府から円安批判が出ると円高に
(3)世界の投資マネーによる「リスクオン、リスクオフ」切り替え→リスクオフになると円高に
(1)で言えば、ドル円の動きは、通常は、日米金利差、あるいは日米金融政策の方向性の差で説明できる。今、米国の利上げが予想される中、日本は異次元緩和の維持が見込まれている。それが、円安(ドル高)期待につながっている。
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