トランプ相場の「第3幕」は本当にあるのか いずれ円高が来るなら、投資は少額で良い

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NYダウはついに2万ドルを突破。トランプ相場の「第2幕」の後は、どうなるのか(写真:AP/アフロ)

米国のトランプ政権への期待が再び高まり、トランプ相場の「第2幕」が開いたようだ。昨年11月8日の大統領選以降、市場はここへ来てトランプ大統領の施策などを再評価、株高・ドル高・金利上昇の動きが強まった。25日のNYダウはついに史上初の2万ドル台に乗せた。これを受け、日経平均株価も1月5日につけた高値1万9615円をうかがう勢いだ。

「有言実行」を評価した市場

なぜ株価は再び騰勢を強めたのか。大統領選勝利以降初めてとなった記者会見では、トランプ氏は具体的な政策などに言及すると思われたが、その期待は見事に裏切られ、一部メディアへの集中的な攻撃に終始、全く中身がないものとなった。これに失望した市場が、株価の上値を買うことを止め、調整モードで就任式を迎えることとなった。

20日の就任式では、大統領らしさを見せるものと思われたが、今回も具体的な政策に触れることはなく、選挙戦から訴えてきた「米国第一主義」を繰り返すにとどまり、大衆迎合的な内容だったとの印象を強く植え付けることとなった。米国第一を掲げるスタンスは、これまでトランプ大統領が訴えてきた考えの中心的なものではあるが、これまでの強気一辺倒のスタイルに比べると、ややネガティブな印象を受けたというのが正直なところである。

しかし、ここからがトランプ大統領の尋常ではないところである。公約として掲げてきたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)離脱に関する大統領令に署名し、「永久的に」離脱すると言明した。まさに「有言実行」である。その他にも、矢継ぎ早に米国の大手企業トップと会談し、また外交面でも動きを見せるなど、フットワークの軽いところを見せている。

この数日間のトランプ大統領の行動を見る限り、とにかく行動が早く、結論を出す、あるいは決断を下すのが極めて速い。これはトランプ氏がビジネスマンとして培ってきたスタイルであり、このスタイルで成功を収めた自負がある。今後も、重要事項でもかなり早いスピードで次々に決断し、周りを圧倒するだろう。このような動きに周りがついていけるかがポイントになりそうだ。

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