ソニーが通期の営業利益予想を下方修正 映画事業の営業権での減損処理が響く
[東京 2日 ロイター] - ソニー<6758.T>は2日、2017年3月期連結営業利益予想(米国会計基準)を前年比18.4%減の2400億円に下方修正した。従来は同8.2%減の2700億円を見込んでいたが、映画事業の営業権に関して巨額の減損処理を行ったことなどを反映させた。
会社予想は、トムソン・ロイター調査のアナリスト25人の予想平均2956億円を大きく下回る。
吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は会見で、中期計画で掲げている2017年度の営業利益について「5000億円の目標は変更ない。チャレンジングだが、達成に向け全力を挙げる」と語った。
一方、売上高予想は前年比6.2%減の7兆6000億円(前回は同8.7%減の7兆4000億円)に引き上げた。
1─3月期の前提為替レートを1ドル=118円前後(従来は下期101円前後)、1ユーロ=123円前後(同113円前後)と円安方向に見直したことを織り込んだ。
映画事業は売上高予想は前年比2.9%減の9100億円で据え置いたが、1121億円の減損を実施したことで営業損益予想は290億円の黒字から830億円の赤字(前期385億円の黒字)に下方修正した。
吉田CFOは「多額の減損計上に至ったことは、経営として大変重く受け止めている」とした上で、「映画事業でより真摯に受け止める点は、中期的な収益目標に対して業績が大幅な未達となっていることだ」と指摘。「17年度の見通しは、中期計画のレンジの下限を下回る見込み」という。
中期計画では、17年度の売上高目標95億─105億ドル、営業利益率目標6─7%を掲げている。
収益力は落ちているものの「映画分野はソニーにとって重要な事業だ」として、事業売却については否定した。
今後はIP(知的財産)の活用や米国外市場の強化などにより、立て直しを図る。
商品別の通期計画では、スマートフォン販売を1700万台から1500万台(前期2490万台)に下方修正、デジタルカメラ販売は380万台から400万台(前期610万台)に引き上げた。
イメージセンサー売上高は4900億円から5400億円(前期4776億円)に上方修正。為替の影響やモバイル機器向けの需要拡大を織り込んだ。
16年4─12月期連結決算は、売上高が前年比9.3%減の5兆6996億円、営業利益が同49.8%減の1943億円だった。
(志田義寧)
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