笑いのサプライヤー側の問題点
さて、本題に戻るが“笑いの受け手側の需要変化”という説明は、今の私が昔のダウンタウンの漫才をYoutubeで見て、やはり大爆笑してしまうことを説明できない。つまり私は高校時代に比べ年をとったわけだが、やはりいまだに昔のダウンタウンの漫才は面白く、そして今は全然面白くなくなっているのだ。実際にダウンタウンのみならず、明らかに大御所芸人の笑いのクオリティが落ちていることが多い。
その原因は、笑いのサプライヤーである芸人および放送作家にしても、“多くの視聴者を笑わせること”への能力と情熱と重要性と緊張感が、低下していくことが一因であろう。
たとえば高校生は驚くほどの笑いのセンスを発揮することがあるが、これは一人の人間のIQがピークに達する年齢と前後する。オリンピックをはじめとするスポーツ競技でも反射神経の全盛期は20歳前後と言われることもあるが、お笑いに関しても肉体的な反射神経の衰えと共に、笑いの瞬発力などは落ちていくのだろう。
その後、賢い人は蓄えた知識と深まる洞察力、張り巡らされた脳内シナプスで広がりと深みのあるジョークができるように成熟していくこともあるが、そうでない場合は知識や思考能力が深まらず、年齢だけ重ねた場合は単に面白くないオジサンになってしまう。実際にタレントさんの中で、3年前の自分に比べて発言やジョークの面白さ、賢さが発展している人がどれくらいいるだろうか。控えめに言っても数年前とレベルが変わらないか、大きく退化している芸人やコメンテーターが大半ではなかろうか。
日本のテレビはチャンネルが規制で限られており、また番組の大半が一部の“既得権益層の常連タレント”に占拠されているため、これらレギュラー番組を多数抱える“人気タレント”のレベルの低さが、テレビのレベルの低下、およびそれに影響される視聴者全般のレベルの低下の元凶のひとつだと思われる。
長くなってしまったので残りは次回に続けたいが、お笑い関係者の方で反論おありの際はこちらまでご教示願いたい。
※ 続きはこちら:続・ダウンタウンはなぜ面白くなくなったのか
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