MOOC革命で日本の大学は半数が消滅する!

高等教育のオンライン化がもたらす「衝撃の未来」(上)

MOOCのオンライン授業は、名前やメールアドレスを入力するだけで誰でも受講できる。基本的に無料だが、一部有料の講義もある。講義は、単なる大学の講義を撮影しただけの映像ビデオではなく、たいていは細かく10分単位に編集され、ミニテストで理解度を確認しながら次に進むという形式になっている。テキストもちゃんとあり、もちろんオンライン配信される。

そのため、受講生は週に5~10時間ほど、3カ月ほどのタームで受講し、宿題をこなし試験を受けて、基準に達すれば修了証を入手できるようになっている。

MITに合格したモンゴルの天才高校生

こうして、世界最高レベルの授業がオンラインで受けられるのだから、受講生が増えないわけがない。ほとんどが英語の授業だが、英語さえできれば、高額な費用をかけて米英の大学に留学する必要もなくなる。そのため、授業料が高騰して大学進学をあきらめざるをえないアメリカの若者たちや、貧しい国の若者たちは、今、積極的にMOOCに参加している。

このため、MOOC革命は、「教育の民主化革命」とまで形容されている。

スタンフォードやハーバードの「白熱教室」が、そこに行かなくても受けられる。こんなことはネットが発達しなければありえなかったことだ。まさに、MOOC革命は、本当の意味での「お茶の間留学」である。

MOOC革命の恩恵を受けた例が、今、メディアで注目を集めている。朝日新聞(2013年6月3日付記事)は、モンゴルの首都ウランバートルに住む高校生バトゥーシグさん(16)が、この3月、MITから合格通知を受け取ったという話を伝えている。

この高校生は、「Edx」で昨春から「電子回路」のオンライン講義を受け、受講生15万人のうちで満点を取った340人の1人。しかも、当時15歳で満点を取ったのだから、担当教授は「天才」と驚いたという。

このモンゴル天才高校生のことは、先にニューヨークタイムズで、コラムニストのトーマス・フリードマン(『フラット化する世界』の著者)が記事(「Revolution Hits the Universities」)で伝えていた。そのときは、MITとUCバークレーに入学願書を提出中という話だったが、朝日の記事では、見事、MITに合格し、9月に入学するとなっていた。記事には書かれていないが、もちろん、留学費用はタダ(奨学金が出る)だろう。

MOOC革命の破壊力は、このように世界中の優秀な人材を発掘できることにもある。

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