ご存じのように、本なら単行本でも1000~2000円程度で手に入る。おカネをかけずに知的な自分を相手に演出できるアイテムだろう(もちろん本のセレクトは慎重にしなくてはならないが)。
本以外にも、たとえばメディアで話題を集める人気美術展のチケットでもいい。これもコストは1500~1600円程度で済む。モノよりもコト消費の時代、その先にある「体験」をプレゼントするという発想で、変化球アイテムをいろいろそろえておきたいものだ。
なお、本のプレゼントで思い出したが、子どもの頃サンタさんはうちには本しか持ってこないんだなあと思ったことがある。お人形をお願いしても、次の朝に枕元にあるのはやはり本だった。安く済ませられていたわけか、と大人になってから気づいた。何事もやりすぎはよくないという例である。
人は意外とパッケージに弱い?
バレンタインデーが巡ってくるので、男性に喜ばれるロー・コスト・ギフトについても考察したい。編集者でもある筆者は、取材対象者に手土産を持っていくことがある。
ある著名な経済アナリストの方に「都電もなか」をお持ちしたところ、いたく喜ばれ、先方は取材中ずっとそれを手元から離さなかった。中身は普通のもなかなのだが、都電のパッケージがツボだったのだろう。乗り物好きとは知っていたけれど、1車両(1個)約150円×3両でこんなに喜んでもらえるとは驚きだった。
バレンタイン時期の取材で、男性取材者にデパート催事で買ったブランドチョコを渡すと、「このパッケージ、今年はよく見るね」と言われたこともあり、手土産も中身より「見た目が9割」ということかもしれない。このところのチョコブームもあり、ブランドチョコも以前ほどのありがたみはなくなっている。よほどの美食家でもないかぎり、見た目=パッケージや演出でアピールするほうがわかりやすく、喜んでもらえるかもしれない。
ペットを飼っている男性には犬猫柄のお手頃チョコは反応がいいだろうし、日本将棋連盟が推薦する将棋の駒チョコが1400円で発売されたらしいが、これも使えそうだ。男女を問わず、高級ブランドのものより、「あなたの好きなもの」のほうが喜ばれるシーンは意外と多いのではないだろうか。
こんな手もある。あいうえお50音やアルファベット26文字が一文字ずつ印刷されたミニチョコを買って、その人の名前を作って渡したのだが総額500円程度でできた。おカネをかけずとも、相手のことを考えて選びましたという気持ちを示すことは可能なのだ。
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