中国人観光客を引き寄せる豪州流おもてなし 日本はこの国に勝てる観光の魅力を出せるか
中国の旧正月、春節に突入し、世界中で中国人観光客の争奪戦が激しさを増している。「爆買い」が落ち着きを見せ、1人当たりの消費額が減る傾向にある中、少しでも多く自国でカネを落としてもらおうという「おもてなし合戦」のスタートだ。
豪州流の大胆な「おもてなし」
近年、存在感を急速に増しているのが、夏真っ只中の南半球に位置する大自然の国・オーストラリアだ。大胆な「おもてなし」で一歩抜きん出ている。
昨年2月、春節時期のオーストラリア各地を取材すると、街中至る所に「Chinese New year」「新年快楽」などと書かれた赤や金色の豪華なのぼりがはためき、ここは中国かと見まがうほどの装飾が施される徹底した歓迎ぶりだ。デパートに入れば、天井から派手な装飾が垂れ下がり、その装飾を記念撮影する中国人たちで混み合い、春節セールが繰り広げられている。
長蛇の列ができている先をのぞくと、伝統衣装をまとった中国人のおじさんが「福」や「愛」などの、縁起が良さそうな漢字を筆で書き、プレゼントするサービスまで。その書を並んで手に入れた中国人観光客たちは、満足げにセルフィーで記念撮影をしていた。
中心部を歩くと、「四季平安」と書かれた黄色い虎の巨大なバルーンや、700個の麻雀牌を積み上げて作られた牛のオブジェなど、色も大きさも、そしてアイデアも、すべてが規格外の飾り付けが街中の至る所に、突如現れる。実はこれ、十二支の動物すべてが巨大なオブジェとなり、シドニーの市内各所に点在しており、中国人観光客たちはそれらを巡って記念撮影を満喫できるという仕掛けらしい。
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