トランプの第一主義に見える大衆迎合の限界 予測困難な経済政策で世界の不確実性は増す

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実際、大統領就任の多忙な時期に、大統領自ら就任パーティ用のテーブルクロスを選定していたそうだ。不動産王として成功したのも、そうしたこまやかな気配りがあったからこそだが、大統領職と不動産会社のCEOとではあまりに違いすぎる。テーブルクロスの選定は大統領の仕事ではない。

言い換えれば、米国民のみならず世界の人々も、この奇異な米国大統領と付き合っていかなければならない。私たち日本人もその覚悟をすべきときが訪れている、ということだ。

反応がよければ実施?トランプ政権の理論なき経済政策

最近はあまり聞かれないが、かつては「米国が風邪を引けば日本は肺炎になる」とよく言われた。それだけ米国経済の動向が日本経済を揺り動かしたのだが、最近は中国という米国以上のビジネスパートナーが現れて、米国経済の影響を以前ほどは受けなくなりつつある。とはいえ、依然、米国経済がマーケットとしても、そして生産拠点としても重要なポジションにあることは確かだ。

問題なのは、その米国の大統領が、就任初日の1月21日に「就任式に集まった人間の数は史上最高だった、メディアはうそを発表している」と怒りまくるなど、相変わらず予測困難というか、同族会社のワンマン社長のような姿勢を変えようとはしていない点だ。

そんな中で、今後日本経済にどんな問題が降りかかってくるのか? 現段階でトランプ大統領が掲げた対日に関する発言はそう多くはなく、簡単にピックアップすれば、次の3点に絞られる。

・貿易不均衡

・駐留米軍の費用負担増

・日米安保条約の見直し

このほか、日本に直接関係するのは「TPP離脱」と「パリ条約脱退」だろう。

さらに、トランプ政権が「NAFTA(北米自由貿易協定)」の見直しを明確にしたことで、トヨタなど隣国であるメキシコやカナダに生産拠点を持って米国に輸出している日本企業も大きな影響を受けそうだ。

そういう企業は、米国からメキシコやカナダに部品を輸入して製品に組み立て、再び米国に輸出しているところが多い。仮に、メキシコに対してトランプ政権が国境税をかければ、当然メキシコも報復措置として米国からの輸入品に関税をかけるから、そういう企業では二重の障壁ができるだろう。

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