トランプの第一主義に見える大衆迎合の限界

予測困難な経済政策で世界の不確実性は増す

この新リーダーの誕生によって世界経済は大きく揺らいでいく(写真:REUTERS/Rick Wilking)

ドナルド・トランプ氏が米国の第45代大統領に就任した。

1月20日の就任演説は、拙著『トランプ政権でこうなる! 日本経済』で取り上げたような大統領選挙時のスタンスとあまり変わりなく、大衆迎合主義(ポピュリズム)的、国粋主義的なトーンが目立ったものの、相変わらず具体的に何をするのかが示されない内容だった。

期待を裏切らないという決意を固めている

ただ、演説から感じられたのは、トランプ新大統領が、現実的に政策の整合性があろうがなかろうが、とにかく自分に投票してくれた「白人中間層」の期待を裏切らないために、「選挙期間中に約束したことは何としてもやらねばならない」、という決意を固めているということだ。

これが、いわゆるポピュリズム政治の「宿命」であり「限界」といっていいだろう。今後、トランプ政権はイデオロギーとか公正さ、正義といった政治的理念よりも、大衆の意思を鑑みながら政治を動かしていかなくてはならない。

つまり、アメリカファースト(米国第一主義)、移民排斥、雇用創出、インフラ整備、保護貿易、軍備増強といった大衆が喜びそうな政策を続けていくしかない――。それがトランプ政権のすべてといっていいのかもしれない。

トランプ大統領は歴代大統領のように、大統領になったからには国際情勢や経済情勢への造詣を深めて、大局的見地から政治的にベストな選択をしていこうと努める、というキャラクターではない。

次ページ大統領自らテーブルクロスを選定?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 令和を生きる若者のための問題解決法講座
  • コロナショック、企業の針路
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
先陣切った米国の生産再開<br>透けるトヨタの“深謀遠慮”

米国でトヨタ自動車が約50日ぶりに5月11日から現地生産を再開しました。いち早く操業再開に踏み切った背景にあるのが、日本の国内工場と米トランプ政権への配慮。ドル箱の米国市場も国内生産も守りたい巨大グローバル企業の深謀遠慮が垣間見えます。