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政治・経済・投資 #トランプ大統領誕生の衝撃

トランプ就任演説は「超絶暗い世界観」の塊だ 民主主義という言葉は1度も出てこず

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  • 田中 道昭 日本工業大学大学院技術経営研究科教授
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「セルフブランディング」を進化させる

前回の記事では、「多彩な表現やレトリックを駆使して、自分が実直な人物であることを印象づけることを狙ってくるだろう」と言及した。実際に、トランプは次のように述べている。「私たちは心を開いて語り合い、意見が合わないことについては率直に議論をし、しかし、つねに団結することを追い求めなければなりません」。

これまで暴言を吐き続けてきたことを、本音、率直、正直ということで正当化しようとしてきたトランプにおいては、やはりこの点は重要だったのだ。人自身が「商品」となるセルフブランディングにおいては、実は最も重要となるのは、その人物の人間観・世界観・歴史観であるとされている。

 「赤い血を流す」「根絶」も過激だった

この観点から見ると、トランプは少なくとも反対票を投じた有権者層に対して、セルフブランディングを「後退」させてしまったものと評価されるだろう。それは、トランプが比喩として用いた「アメリカの殺伐」という世界観があまりにもダークで、これは彼自身が持つ世界観であると認識された可能性が高いからである。

トランプは、この表現以外にも、今回、「私たちは同じ愛国者の赤い血を流し」の「血を流す」という表現、「イスラム過激主義を地球から完全に根絶します」の「根絶」の表現が過激過ぎると指摘する向きも米国内では多い。

トランプ自身が今回の演説のなかで「神」に言及したように、米国でも言葉は言霊である。ネガティブなエネルギーをもつ言葉は、自ら企図したこととは異なる結果をもたらすこともあることは教訓にしたい。ただし、筆者は、実際にトランプがこのような黙示録的な世界観をもっている人物とは思っていない。

もっとも、変化を印象づけるメタファー(隠喩)として、過去と未来の大きな対比を演説のなかで描きたかったトランプは、未来におけるビジョンが明快に打ち出せなかったことから、過去をよりダークにすることで大きな対比を描こうと考えたのではないかと思われる。

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