ガラパゴスな子どもを育てない秘訣 かわいい子には旅をさせよ

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ガラパゴスな子どもに育てないために

「かわいい子には旅をさせよ」という言葉は知っていましたが、息子から申し出た「旅」に、私は猛反対してしまいました。大きな「お土産(弁護士資格)」を持って帰ってきてくれた結果をみても、私がいろいろな理由をつけて反対を通していたらと振り返るたびに、背筋が寒くなります。
もちろん、あのときの留学がなくともほかに機会は訪れたでしょうし、留学なしでも大きなチャンスを得たかもしれません。とはいえ禍福はあざなえる縄のごとし、紙一重の差で運命が分かれるのも世の常。本人のモチベーションがあのように高いときにそれを逃すと、その後の不首尾を親のせいにして、負の循環にはまることも計算に入りました。

何をもって成功とするかは人それぞれでしょうが、今、彼は自分のやりたかった職に就き、尊敬できる優秀な先輩に囲まれて「やっている仕事が楽しい」と、生き生きしています。それで充分だと思っています。思えば今につながる小さな一歩が、あの無愛想に渋々言った「じゃ、やってみなさい」でした(なんと、私がしたことはこれだけ!)。

「旅に出ること」は在所にいては出会えなかった人たちや「旅に出てきた人たち」との出会いであり、よその釜のメシを食うことであり、切磋琢磨することであり、反面教師をみることであり……。一回りも二回りも大きくなって帰ってきた息子をみて、「旅にでないと人は成長できない」と言ったある小説家の言葉に納得していました。

私は子供が4人もおりますので、その分、お付き合いも多くなります。頑固な親もたくさんいらっしゃるので、子供の芽を摘む口実も実に巧みです。子離れとそのタイミング、(自戒を込めて)子供を信じることの大切さに思いが至るときです。

わが家の子供たちも留学することで、本来なら出会えなかったすばらしい友人たちとも出会え、大きな支えとも喜びともなっているようです。子供が一人前になるのに、親のできることがいかに少ないかを思い知りました(このコラムの主旨から少し外れる結論かもしれませんが)。「かわいい子には旅をさせよ」。親の過干渉を戒め、親が子に対してできることの少なさをも指しているのではないでしょうか。昔の人の言葉には本当にムダがありません。

私のように視野が広くないのに、子供より力のある親御さんたちに告げたいです。子供が親を超え、どんどん挑戦していくのを応援しないと、ガラパゴスの子を育てることになりますよ!

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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