韓国「国政介入事件」、真相を究明できるのか サムスン御曹司「逮捕状棄却」の影響は大きい
韓国のいわゆる「国政不正介入事件」に関連し、韓国の特別検察が請求したサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(49)の逮捕状請求を、ソウル中央地裁が1月18日早朝に棄却した。ソウル中央地裁は「贈賄の与件となる期待した対価と不正な請託などに対する弁明など、これまでの捜査による結果を見ると、現段階では逮捕するまでの事由と必要性を認めるには難しい」と発表した。
逮捕状請求が棄却されたことで、特別検察による今後の捜査方針は大きく狂うことになる。
朴槿恵(パク・クネ)大統領(64)の長年の友人で実業家である、崔順実(チェ・スンシル)氏(61)が不当な国政介入を行ってきたとされる一大スキャンダルでは、サムスン以外の財閥企業も、崔氏が関与する団体などに賄賂を贈った容疑がもたれている。
世論を背景に拙速な捜査か
特別検察は再請求を視野に入れている。これまでの韓国検察による捜査では財閥側を「被害者」とみていたが、特別検察は財閥トップらを「賄賂を提供した共犯」と判断していた。「国家経済などに与える状況も重要だが正義を守ることがより重要だ」と、逮捕状請求時には断言した特別検察だが、今回の棄却で「反財閥感情も強い世論におもねり、拙速な結論を出したのではないか」との声も高まりそうだ。
特別検察は、大統領の家族や政府高官らが関与した疑いのある不正を対象に、政府から独立して捜査するために任命される検察官で、国会の過半数以上の賛成で設置される。今回の特別検察官は、15年以上の判事や検事などの経験がある弁護士を中心に、最長120日間をかけて疑惑を捜査することになる。
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