ノート7使用中止勧告はサムスンに大打撃だ 米国政府によるiPhone保護策との見方も
サムスン電子が満を持して販売したスマートフォン「ギャラクシーノート7」にバッテリーが発火するなどの欠陥が発生。同社は欠陥を公式に認めて全量リコールを発表したが、9月10日になって韓国や米国など販売中の10カ国の消費者に、同製品の使用中止を勧告した。「消費者の安全のための先制的な措置」というのが同社の説明。韓国政府もすでに、同製品の飛行機内での使用と充電の禁止、さらには受託手荷物から除外する方針を発表している。
サムスン電子は「これまでの10日間、ギャラクシーノート7の第1次販売10カ国での使用を止めるよう勧告措置を執った」と発表。9月12日から同社のサービスセンターに加え、携帯電話会社の各店舗でも、代替の携帯電話の支給を行うとしている。また、9月19日からは、新しいバッテリーが搭載されたノート7への交換も行う。
米国の強硬な使用中止姿勢が世界に伝播
サムスン電子が「使用中止勧告」まで行ったのは、なぜだろうか。実は、決定的な要因となったのが米国政府の行動だ。9月8日、米連邦航空局(FAA)が飛行機内での使用と充電の禁止を勧告、翌9日には米消費者製品安全委員会(CPSC)が「ギャラクシーノート7の電源を切り、使用を中断すべき」と消費者に向けて勧告した。
米国以外にも波及した。欧州航空安全庁やカナダの運輸省、インド民間航空局など、世界の航空当局も各国の航空会社にギャラクシーノート7の機内使用と充電禁止を勧告している。そのため、タイ国際航空や豪カンタス航空、台湾のチャイナエアラインなど世界の主要キャリアが同製品の使用と充電を禁止した。